首位守った阪神選手に浸透する「一つでも前の塁に進める意識」 評論家がDeNAと比較
「DeNA3-4阪神」(10日、横浜スタジアム) 阪神が接戦を制した。3-3で迎えた九回にシェルドン・ノイジー外野手(29)の左前適時打で勝ち越して連敗を2で止めた。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏は「明暗が分かれた」阪神とDeNAの「意識」に着目した。 ◇ ◇ 一つでも前の塁に走者を進める。その意識がより強かった阪神が接戦を制した。 1-1で迎えた六回。先頭の近本が右線二塁打で出塁すると、続く中野は右飛。近本はタッチアップで三塁に進んだ。右方向に引っ張って最低でも走者を三塁へ、という意識が見えた打席が、大山、井上の連続適時打を呼び込んだ形だ。 走者が二塁よりも三塁にいる方が相手はよりプレッシャーを感じる。九回、先頭の佐藤輝が右線二塁打で出塁すると、ベンチは迷わず坂本に犠打を命じ、これが見事に決まってノイジーの左前適時打につながった。 直前の八回、DeNAは先頭の筒香が右前打で出塁しながら続く山本が走者を進められず、無得点に終わった。一つでも前の塁に進める、前の塁を奪うという意識が選手個々にも浸透している阪神とは対照的で、明暗が分かれたと言ってもいい。 最後に、今季初スタメンで三塁強襲の適時打を放った井上は結果が出たことで自信を得たのではないか。状態の良さは伝わってきたし、これからの打席に期待したい。