女性を幸せに包む「エルメスの香水」うっとりする香り
美賢者たちが自分の個性を託したい香りに、愛をこめたメッセージを贈る。エディター・ライターの松本千登世さんが、かけがえのない人生を紡ぐ「エルメス」の香りを語る。 【写真】いつも褒められる「人気の香水」
HERMÈS《エルメス》
(右)オー ドゥ シトロン ノワール 「乾燥レモン」の、清涼感がありながらもスモーキーな香り。コロンなのに、真昼から真夜中まで香りが持続。オーデコロンナチュラルスプレー 100㎖ ¥17,600/エルメスジャポン (左)バレニア オードパルファム シプレ調の新しい香りは、エルメスの繊細でしなやかななめし革「バレニア」のように、素肌の上で重なり合い、うっとりと優しく嗅覚を刺激する。100㎖¥24,860/エルメスジャポン
ともに過ごす「時」が愛おしい。かけがえのない人生を紡ぐ香り
「時間はかけがえのない材料である」。エルメスというメゾンにとっては言葉にするまでもないごくあたりまえの概念に初めて触れたとき、心がぽんと跳ね、静かな昂揚に包まれました。人生そのものに違いない。時間は人生を紡ぐかけがえのない材料。香りとともに過ごす時間で人生が創られている……。以来私は、エルメスの香りがもたらす静かな昂揚を一瞬一瞬、毎日毎日、積み重ねています。もはや肌の香りと呼びたいくらい愛してやまないのは「オー ドゥ シトロン ノワール」。フレッシュでビターなレモンのシトラスノート、グアヤクウッドのウッディノート。その見事なまでの融合は年齢も性別もスタイルも超え、香りをまとった瞬間から心の奥深くに存在するさまざまな側面を引き出して、これが自分と誇らしく思わせてくれる。唯一無二の「妙」を生み出した調香師にいつか会いたいと思うほど、シンプルで力強く、それでいてどこまでも繊細な香りに魅了されています。この秋、専属調香師クリスティーヌ・ナジェル氏が手がけるエルメス初のシプレ「バレニア」が誕生。このボトルは、エルメスを代表するオブジェであり、レザーとメタルという異素材を組み合わせてアクセントを効かせたコリエ・ド・シアンから着想を得たものだといいます。最高級のレザーとメタルの輝きがその人が過ごす時とともに味わいを増し、人生を紡いでいくように。エルメスのフレグランスが創るのは、かけがえのない人生そのもの。 ●松本千登世(エディター・ライター) 美しさの本質を見極める視点、そのていねいな暮らしぶりまでもが透けて見えるような語り口は唯一無二。自身初となる絵本『ピンクのカラス』(BOOK212)も人気。 撮影/赤尾昌則(whiteSTOUT) スタイリスト/山本瑶奈 取材・原文/巽 香 ※エクラ2024年11月号掲載