人気窯元の作品が500円…なぜ 「難しい」と言われても断念せず、反響 新たなコラボも
伝統工芸品をガチャガチャで手にとることができたら――。地元の茨城県の伝統産業を広めたいと、笠間焼をガチャガチャにした会社があります。作品によっては数百万円のものをつくる作家さんも参加したこの企画。ガチャガチャ評論家のおまつさんが取材しました。 【画像】ぐい呑みや箸置き……100万円以上の作品手がける作家の作品も
茨城の会社だからこそできること
茨城に本社を置くクリエイション・コムは、ガチャガチャにまつわるさまざまなことを自社で手がけるユニークな会社です。30年以上、ガチャガチャビジネスを生業としています。 クリエイション・コムは他のガチャガチャメーカーと違い、商品の卸売業をはじめ、メーカーとしての商品作り、店舗の展開をしているほか、イベントでガチャガチャの販促イベントを手掛けています。ガチャガチャ業界でこれだけ総合的に自社で展開している会社は日本でクリエイション・コムだけです。 クリエイション・コムの店舗作りは特徴的で、2つのこだわりが見られます。 一つ目は、代表の宮崎正木さんが子ども向けの商品づくりを大切していることです。 メーカーは近年の円安により海外での製造コストも高まり、利益率が低く、ものづくりをすることが難しい状況になっています。商品価格帯も2~3年前でしたら、200~300円の商品群がありましたが、今では300~500円の商品群が増えています。そんな厳しい環境でも、宮崎さんの店舗では、必ず子どものお小遣いで買える100~200円の商品を店舗では入れるようにしてます。 二つ目は、地域の特色を活かした伝統工芸品を展開していくことに注力していることです。 全国でガチャガチャ専門店の出店が増加傾向となり、今では至るところにガチャガチャの売り場があります。差別化していくうえで、宮崎さんはメーカーの商品のほか、自社で商品企画するものづくりをしていくことが、業界で生き残っていくうえで重要だと言います。そのひとつの施策が、地域の伝統工芸品です。
笠間焼のガチャ、「人気窯元作家」をシリーズに
宮崎さんは「クリエイション・コムは茨城の企業なので、 茨城の魅力を発信していきたい。ガチャガチャは、意外と地元のものを全国に発信できる可能性を持っています」とその施策の重要性を力説します。 「コロナ禍で企業は地域物産を発信できないこともありましたが、非接触が特長のガチャガチャビジネスは、その代行ができるのではないか。地域物産を発信する役割を担えれば面白い」と続けます。 今回は生まれも育ちも茨城の宮崎さんだからこそ誕生した「笠間焼・人気窯元作家シリーズ」を紹介します。 大きな特長は、一つひとつがすべて手作りで同じものが存在しないこと。まさに、手にした人の世界にひとつだけのオリジナル商品になっています。 笠間焼は1992年、 経済産業相によって伝統工芸品に指定された、茨城県笠間市で作られる焼き物です。江戸中期から始まった、長い歴史のある焼き物になっています。 ガチャガチャにしたきっかけを尋ねると、2021年に笠間市から宮崎さんに依頼があったことが始まり。「道の駅かさま」で、笠間市のオリジナルのガチャガチャを作り、より広く展開することになりました。