JのCS決勝展望。ガンバの下克上Vの可能性は?
年間総合勝ち点1位のサンフレッチェ広島と同3位のガンバ大阪が、ホーム&アウェー方式で激突する「2015 Jリーグチャンピオンシップ」決勝の第1戦が2日午後7時半に、ガンバのホーム万博競技場でキックオフを迎える。ドラマティックな展開で、浦和レッズを撃破した一発勝負の準決勝から中3日。決勝戦の注目は、G大阪が再び下剋上を起こせるかどうかに注がれる。 まずは迎え撃つ広島を見てみたい。J1が18チーム制になった2005年以降では最多となる年間総合勝ち点74を獲得した軌跡が物語るように、今シーズンのJ1で最も盤石な試合運びを展開したチームであることは間違いない。 元日本代表MFで、現在は解説者を務める水沼貴史氏は、森保一監督のもとで4年目を迎えた広島のサッカーをこう表現する。 「相手が出てくれば、自分たちが仕掛ける。出てこなければボールをしっかり回して、相手を動かしながら誘き出そうとする。そういった部分で、選手個々の判断のレベルが非常に上がっている。たとえばボール回しが上手くいかないときには、最終ラインでボール回しに参加する千葉和彦や塩谷司たちが前後左右にポジションを微調整する、あるいはちょっと横に出るなど、こまめにポジションを変えてプレッシャーを回避する術をチームとして身につけている。成熟した大人のチームといっていい。 加えて、今シーズンは後半途中から相手が前へ出てくれば、カウンターを仕掛けられる浅野拓磨という武器も手に入れた。爆発的な縦へのスピードを誇る浅野はたとえパートナーがいなくても、一人でプレーを完結できる。相手にとって大きな脅威となっている」 浦和とともに「3‐4‐2‐1」を基本形としてマイボール時に「4‐1‐5」へ、相手ボール時には「5‐4‐1」へ素早く陣形を変える「可変システム」を採用するが、本家はあくまでも広島だ。 2008年シーズンの序盤から取り入れ、試行錯誤を繰り返しながら進化させ、その過程で史上4チーム目となるJ1連覇を達成した。戦い方に対するこだわりの強さは浦和以上であり、徹底された戦いぶりをG大阪のMF今野泰幸もこう警戒する。 「5バック状態となっても気にすることなく守り通してくるあたりは、堅いというしかないですね」 そのキーマンが、キャプテンのボランチ青山敏弘だ。浦和の柏木陽介と同様に、システムが「4‐1‐5」になったときの「1」を務めるが、長い縦パスと前へ攻め上がっていくタイミングを常に狙っている点でプレースタイルが異なる。前述の水沼氏が言う。