破綻したレッドロブスター、カムバックなるかはウォール街の料理次第
タイ・ユニオン・グループ
2016年にはレッドロブスターに食材を卸していたタイ・ユニオン・グループが、5億7500万ドルでゴールデン・ゲート・キャピタルから株式25%と追加24%を購入する権利を取得。タイ・ユニオンにとっては米国でのプレゼンス強化する戦略の一つだった。
当時は客足も戻り始め、顧客特典制度が注目され、ビヨンセの歌でレッドロブスターが歌詞に登場して話題を集めることもあり、投資の先行きは明るいように見えた。しかし2020年にコロナ禍が始まり、ロックダウンでレストラン業界は壊滅的な打撃を受けた。
すでにレッドロブスター投資を手放したかったゴールデン・ゲート・キャピタルでは、債務の返済期限が迫るなか権益売却が至上命令となった。タイ・ユニオン経営陣は同社と投資会社シーフード・アライアンスとの連合で、残りの権益をゴールデン・ゲート・キャピタルから買い取った。
2022年にCEOに就任したポール・ケニー氏は売り上げてこ入れ策として、「20ドルでエビ食べ放題」を恒久化した。さらにタイ・ユニオンに有利な形でサプライヤーを変更。現CEOのジョナサン・ティバス氏は、この変更が後の経営不振を招いた一因だとしている。
レッドロブスター破綻の陰にエビ食べ放題-株主の納入業者が影響力か
未来への道
レッドロブスターは8月上旬までに売却を完了すべくプロセスに入っている。およそ650店のうちすでに約100店を閉鎖、さらに120店の閉鎖を目指している。
「大きなお祝いも小さなお祝いも、レッドロブスターがお手伝いをしてきました」とレッドロブスターは破産申請後にソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)」に投稿。「次世代やその次の世代のためにも、大事な思い出を作る場所であり続ける決意です」と続けた。
フォートレスを含む債権団は総額2億5600万ドル相当のレッドロブスター債を保有。DIPファイナンス(つなぎ融資)としてさらに1億ドルを貸し付けることで合意しており、このうち4000万ドルはすでに裁判所の許可が出ている。