破綻したレッドロブスター、カムバックなるかはウォール街の料理次第
(ブルームバーグ): 責任のなすりあいは、米シーフードレストラン、レッドロブスターの運営会社が破産法の適用を申請した直後に始まった。新しい最高経営責任者(CEO)はオーナーのせいにし、オーナーは前のオーナーたちのせいにした。新型コロナウイルスや、企業の強欲、そして悪名高い「20ドル(約3000円)でエビ食べ放題」メニューも非難の矢面に立たされた。
米国の食文化を象徴するチェーンが10年以上をかけてゆっくりと衰退し、財務の泥沼に入ったのには複数の要素が絡んでいた。破産を申請した今でも、残された選択肢は容易なものではなく、ビジネスを盛り返せるかどうかは定かではない。
唯一の救世主となり得るのが、480億ドルを運用するディストレス投資大手フォートレス・インベストメント・グループだ。
事情に詳しい複数の関係者がブルームバーグ・ニュースに明らかにしたところによると、フォートレスはすでにレッドロブスター債務の大部分を保有し、破産法適用から脱却へと導くことに真剣な関心を示している唯一の機関となっている。
レッドロブスター、およびフォートレスの担当者はこの記事についてのコメントを控えた。破産裁判所の口頭弁論は14日に始まる。
パシフィック・マネジメント・コンサルティング・グループのプリンシパルとしてレストランに戦略を提言するジョン・A・ゴードン氏は、「少しずつ立て直していくことは可能だ」と語る。「十分な資金を得られて、まともなCEOを雇うことが前提だ」と続けた。
レッドロブスターの今後は重要な意味を持つ。経営不振に陥った一企業だけでなく、消費価格と企業コストが急増する中で変わりゆく米経済を反映しているからだ。
ゴールデン・ゲート・キャピタル
1968年に最初の店をオープンした当時、20ドルで家族4人がおいしいシーフードを食べられるレストランを目指していた。売り上げが伸び悩み始めたのは2000年代初め。改装の努力もむなしく客足は伸びず、アクティビスト(物言う投資家)の標的にもなり、2014年には21億ドルでプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社のゴールデン・ゲート・キャピタルに事業を売り渡した。