「酸素飽和測定機を見つめ毎日祈った」肺高血圧症の娘を育てたアスリート女性と「酸素ボンベをつけて毎日登校」した娘のたくましい言葉
── その後の小学校・中学校はいかがでしたか? 森さん:入学当初は心配でした。でも、まわりの子たちともうまくやっているようでしたし、酸素ボンベについて聞かれても「これは酸素だよ。これがないと苦しくなるの」と堂々としていました。 学年が上がるとつらいこともあったようですが、「ま、いっか」精神で本当に「わが子ながらたくましいな」と何度も思いました。それに、毎日楽しく過ごしているようです。娘は、この春に高校生になりました。新しい学校生活にも少しずつ慣れていっているようで、先日は2泊3日の学校行事にも参加しました。娘だけがいない夜を過ごしたのは、この時がはじめてだったので少し寂しくもありましたが、成長を感じられてなんだか誇らしかったです。
PROFILE 森 幸さん もり・ゆき。東京都出身。アルペンスキー元日本代表。元全日本スキーデモンストレーター。 東京都スキー連盟副会長、日本障害者全日本スキー連盟理事を経て、現在は全日本スキー連盟理事・日本トライアスロン連合理事などを務めるかたわら、青山学院大学の体育会スキー部のコーチにも注力している。国の指定難病である肺高血圧症を抱える、娘の未瑠加(みるか)さんとの日常の一コマをインスタグラムに投稿している。
取材・文/安倍川モチ子 画像提供/森幸
ちゃんと 編集部