暗号資産とアメリカの政治状況:ポジティブ要因が並ぶ
暗号資産市場に影響を与えるその他の要素
さらに、ビットコイン半減期を経験した今年は、新たにマイニングされるビットコインの供給量がすでに減少しており、伝統的に価格上昇を支えてきた希少性が生まれている。 ビットコインとイーサリアム(ETH)の両方に現物ETF(上場投資信託)が登場したことも強気指標だ。これらのETFは、機関投資家と個人投資家の両方を惹きつけ、暗号資産市場に新たな資本を呼び寄せ続けると予想される。 しかし、ETFが値動きへのエクスポージャーを提供する一方で、プライベートファンドはETFでは再現できないイーサリアムのロングポジションを取るなどの戦略を通じて、さらなる利回りの機会を提供することができる。 もう1つの要素は、今年後半に予想されるFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げだ。歴史的に、ハト派的なFRBは暗号資産を含むリスク資産にとって強気要因だ。金利低下の期待は、暗号資産市場への投資を促進するかもしれない。 このようなダイナミックな背景を受けて、CoinDesk 20 Indexは強気トレンドを効率的に反映している。トランプ氏のスピーチと前向きな政策のサインを受け取った後の24時間で、ほとんどの伝統的な市場が閉まっている週末にもかかわらず、同Indexは春以来の新高値まで上昇した。 暗号資産市場は24時間365日取引が行われるため、重要な展開をリアルタイムに価格に織り込むことができ、投資家は市場センチメントのフィードバックを即座に得ることができる。 この市場では迅速かつ頻繁に取引が行われるため、この複雑で急速に進化する資産クラスに対処するには、具体的な知識が不足している可能性のある伝統的な金融専門家ではなく、暗号資産分野の専門家と連携することが極めて重要となる。 前述のような様々な要素が重なることで、暗号資産市場は堅調な見通しとなっている。選挙が近づくにつれ、暗号資産市場は継続的に成長する態勢が整いつつある。 政治的な支援、機関投資家への普及、有利な経済政策が組み合わさることで、大きな上昇軌道に乗る可能性がある暗号資産。7月5日の安値は、この長期的な強気相場が現在のサイクルの底を打ったことを示唆し、今後数カ月の持続的な成長への道が開かれた可能性がある。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Element5 Digital/Unsplash|原文:Crypto for Advisors: Crypto and Politics in the U.S.
CoinDesk Japan 編集部