「逆らえば、“飼い殺し”に……」兵庫・斎藤知事に対して県職員が感じる「あからさまなプレッシャー」
兵庫県・斎藤元彦知事(46)に対してパワハラや、プロ野球の阪神・オリックス優勝パレード等の不正支出事件について文書で告発した西播磨県民局長A氏が7月7日、自死した。斎藤知事は当初、この告発文書を「嘘八百」「誹謗中傷」と貶め、内部調査のみで済ませ、A氏を懲戒処分とした。 【県議が衝撃証言】「知事は傀儡だった」兵庫・斎藤知事のバックにいた「疑惑の黒幕」へ集まる痛烈批判 その後、県議会議員らが独自の調査をした結果、告発文書で指摘されていた部下へのパワハラや視察企業で贈答品を受け取るなどの疑惑が多数噴出。斎藤知事の疑惑に対して51年ぶりに「百条委員会」が設置され、6月より本格的な調査がはじまっていた途中での悲しいニュースだった。 ◆亡くなったA氏、B氏は訃報を知らせるデータベースに名前がなかった A氏以外に、もう一人、亡くなった人物がいる。 昨年11月23日に実施されたプロ野球阪神・オリックス優勝パレードに関わったB氏だ。県費をかけず、クラウドファンディングで実施しようとしたものの、企業などから十分な寄付をもらえず、目標額を大きく下回った。告発文書によると、関係先との調整が難航し、心労からうつ病を発症したと見られ、4月20日に亡くなっていた。 A氏、B氏はともに兵庫県の職員だった。仕事により鬱病を発症したのであれば、労災を申請することが可能だが、今働いている県職員によると「彼らの死をまだ公式に認めようとしない」動きがあったのだ。その県職員はこう明かす。 「県職員の訃報があると必ず県のデータベースに訃報が出るのですが、Aさん、Bさんについては出ていないんです。訃報があれば、その担当職員に死亡が告げられ、訃報をデータベースに掲載するんです」 A氏、B氏の訃報が出なかっただけでない。ある職員はこう明かす。 「4月に亡くなったB氏にはまだ学校に行くようなお子さんがいらっしゃいました。これは仕事ではなく、あくまでも慣習ですが、まだ幼いお子さんがいる職員が亡くなった場合、有志でご遺族の育英資金を集めてお渡しします。今回も、有志に声をかけて集めようとしましたが、上層部がそれを止めたんです」 FRIDAYデジタルは兵庫県に対し、A氏やB氏についてなぜ訃報を職員が閲覧できるデータベースにあげないのか、といった質問状を7月23日に出すと、以下のような回答があった。 「データベースへの訃報の掲載は、ご家族のご意向を踏まえ掲載しているもので、全ての職員の情報を一律に掲載するものではございません」 B氏の訃報についてはFRIDAYデジタルが質問状を出し、さらに多数のメディアや議員がこの問題に質問を浴びせたことも関係したのだろうか。質問状を出した直後に、B氏の訃報がデータベースに掲載された。県の職員が亡くなってから3ヵ月も訃報が掲載されず、騒ぎになってから掲載されたことは、極めて異例だろう。