ISSから帰還 宇宙飛行士の油井亀美也さんがトークイベント(全文3)
国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在し、昨年12月に帰還した宇宙飛行士の油井亀美也さんが2日夜、日本科学未来館でトークイベント「みんなでひらく宇宙のとびら 油井飛行士から未来のきみへ」(同館と宇宙航空研究開発機構が主催)を開いた。油井飛行士は、ISSでの仕事や生活ぶりを報告した後、「どんどん遠くに行きたい」と宇宙での今後の夢を語った。質疑応答では、今まで役に立った経験について「家の手伝い」と答えるなど、子どもたちの質問に丁寧に答えた。
きぼう日本実験棟の管制官の井田さん登場
樋江井:それでは井田さん、お座りください。 井田:はい。 樋江井:はい。さて、井田さんのお仕事は、フライトディレクタ。 井田:はい。 樋江井:でも、なんか、あまり聞き慣れないですよね。 井田:そうですね。私、普段、きぼう日本実験棟の管制官、特にフライトディレクタを担当しています。 樋江井:フライトディレクタ。 井田:管制官の仕事なんですけども、きぼう日本実験棟の管制っていうのは、きぼう日本実験棟での実験や、メンテナンスあと宇宙飛行士。油井さんたちや、あときぼう自体が安全っていうのを確保するためにデータとかを監視モニターするのが主な仕事です。で、具体的にはきぼう日本実験棟から送られてくるデータ、例えば今この実験ラック、実験装置の温度は何度ですかとか、そういうデータを見ながら、今実験は問題なく進められてますねとか、あと地上から逆に指令信号、コマンドって呼んでますが、そういうのをきぼう日本実験棟に送って、例えば実験装置の電源を入れたりとか、温度を制御したりとか、そういう仕事をしています。 で、いろいろ管制官もポジションがシステム、1つ1つの実験装置ごと、実験装置や、機能ごとに分かれています。例えばCANSEIって書いてある電力とか通信担当とか、あとJ-COMって右下に書いてあるJ-COMっていう交信担当。宇宙飛行士と交信することを担当するポジションであったり、こういうたくさんの、100人を超える管制官いるんですけど、この管制官、チーム一丸となってきぼう日本実験棟での実験を進めています。で、この全体のポジションを取りまとめる立場がフライトディレクタです。J-FLIGHTっていうニックネームみたいなもので呼んでいますが。はい。 樋江井:今、いろいろ説明してもらったんですが、要はめっちゃいろんなポジションがあって、井田さんはその中のリーダーということですね。 井田:はい。そうですね。 樋江井:地上での。 井田:はい。 樋江井:なんか見た目すごいお若いんですけど、プレッシャーとか感じませんか。 井田:ああ、もう、はい。そうですね。プレッシャーはすごい感じました。 樋江井:感じます? 井田:これまでの、はい。いろんな先輩方がミッション成功なさっている中で、同じように、少なくとも同じようには進めなきゃいけないなっていうことは常に感じながら進めていました。 樋江井:なるほど。頑張ってやってると。 井田:はい。 樋江井:実際に油井飛行士ともISSで交信することってあるんですか。 井田:はい。ありました。はい。 樋江井:ありました? 井田:だいたい油井さんと連絡はもう頻繁に取り、油井さんが特に地上とのコミュニケーションっていうのを大事にしてくださってる方で、もう3日に1回ぐらいは油井さんと話す機会がありました。 樋江井:もう完全に女房役ですね。 井田:はい。そうですね。 樋江井:3日に1回連絡取らないと気が済まない。 井田:そうですね。