約7割が「IT人材ゼロ」…日本のIT人材不足が深刻化。経産省が予測する“2030年までの未来”【経営者アンケート】
Zenkenが実施した日本の中小企業の経営者を対象としたアンケート調査によると、日本の中小企業の約7割が「IT人材不足」に直面していることが明らかになりました。これは企業経営における深刻な課題であり、今後さらにIT人材の確保に向けた戦略的な取り組みが求められています。本調査の結果について、Zenkenの田中志穂・ダイバーシティ事業部長が詳しく解説します。 職業別「平均年収」ランキング…<令和4年賃金構造基本統計調査>
深刻さを増すIT人材不足
Zenkenが2024年9月に実施した、日本の中小企業の経営者を対象としたアンケート調査では、国内におけるIT人材不足の深刻さが改めて浮き彫りになった。本調査の目的は、日本の中小企業が抱えるIT人材の不足状況や、その対策について明らかにすることだった。調査は9月2~3日にかけて行われ、サービス業、製造業、建設業、不動産業、小売業、卸売業、金融・保険業など、多様な業種から200件の有効回答が得られた。 調査結果によると、社内に「IT人材がいない」と回答した企業の比率は約7割に達した。これは前回調査(23年2月)とほぼ同じ比率で、大半の企業がIT人材不足に陥っていることが浮き彫りになった。 IT人材不足にどう対応しているかと聞いたところ、最も多かったのは「中途採用」で全体の3割を超えた。「定年延長・シニアの再雇用」も約1割に達した。IT人材の不足は深刻さを増しており、中小企業の経営者がその対応に試行錯誤していることがわかった。
中小企業はIT人材不足の実態に変化なし
アンケートで社内に「IT人材がいない」と答えた経営者の比率は69.5%と前回調査(70%)とほぼ同じだった(複数回答)。「IT人材が不足していると感じている」とした人の比率は39%と、前回調査(37.5%)よりやや上昇した。経済産業省は2030年に国内のIT人材が最大で79万人不足すると予想しているが、1年前と比べて企業の人材不足に大きな変化がないことがわかった。 中小企業の経営者に対してIT人材が不足していると感じる理由を尋ねたところ、最も多かったのは「IT人材を採用できないから」が51.3%で、その比率は前回調査(46.7%)に比べて上昇した(複数回答)。このほか、「IT人材の離職数が多いから」は9%で前回から微減。「ニュース等でIT人材が不足していると知ったから」も5%で微減だった。