「2024年物流問題」で揺れる現場の生の声を清水和夫が聞く。働き方改革を自動運転やトラックGメンが救うとは?
ニュースでよく聞く「2024年物流問題」とは? 実際には何がどう問題になっているのか? 知っていそうで実はよく知らない…なんて方も多いはず。そんなよく分からないこの問題に直面している現場から、清水和夫氏が生の声を聞いてみた。 PROFESSOR:清水和夫(Kazuo SHIMIZU)/MOVIE:StartYourEnginesX/PHOTO:(株)tuc、三菱ふそう/ASSIST:永光やすの(Yasuno NAGAMITSU) 2024年物流問題について詳しく見る
清水和夫の「頑固一徹学校」は、自動車社会がかかえる数々の問題もわかりやすく解説
国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが毎週金曜日の20時(午後8時)~、自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』で生配信している「頑固一徹学校」。これは2020年、世の中にコロナ自粛が始まってすぐ、「家にいるし時間もある。だったらこの際じっくりと自動車社会のことを考えてみよう」ということから始まった。清水さんが教授に扮し(開始当時は白衣を着ていたり)、自動車、自動車社会に関しての講義をしてくれるもので、コロナ自粛が終わった今現在もライフワークとして続けている。 今回は、その「頑固一徹学校」で2024年4月5日に配信された(この回は収録)「2024年物流問題」について、トラックを30台所有する運送会社の社長さんであり、全日本ラリー選手権仲間でもある株式会社tuc 吉田知史社長に、トラック物流業界の現場から生の声を聞いた回を紹介する。
トラック業界は今、改革に迫られている
清水:今日はちょっと真面目な話をしようかなと思って、私の友人でもあり、ラリーでのライバルでもある吉田知史さんに来ていただきました。 吉田:こんばんは! 清水:吉田さんは私と全日本ラリー選手権で一緒に戦って、一昨年まで私が乗っていたヤリスCVTを買っていただいて。でも最近はお忙しくてあんまり出てきていない。 吉田:申し訳ございません! ちょっと仕事が多忙なもので…。 清水:なんで仕事が多忙かというと、吉田さんは京都のトラック運送会社の社長さん。今年から「2024年物流問題」とよくテレビでもやっていますけど、コレって私たちは知っていそうで知らない。何が問題なのか? 今年からスタートした新しい政策ですけど、まずはその辺からお話を伺いたいと思います。 清水:タックトランスポート? 吉田:tucで「トランスポートユニークチャレンジ」。 清水:トラックは今、何台くらい持っている? 吉田:今は30台ほどですね。 清水:そんなに! 一番大きいのは? 吉田:大型トラック、俗にいう高速道路を夜ぎょ~さん走っているアレですね。 清水:アレって荷物満載するとペイロード(有償搭載量)で30トンくらい? 吉田:25トンですね。 清水:今私、政府の委員でレベル4の自動運転トラックをいろいろやっているんですけど、トラックを自動運転レベル4にするのもそんなに簡単じゃない。物流問題の将来の課題解決としていろいろやっています。今年始まった「2024年物流問題」、かい摘んで話すとどういうことなのでしょうか? 吉田:2024年 3月31日までは労働時間というのは、サブロク協定(※労働基準法第36条に基づく労使協定)とかいろいろあるんですけど、上限規制っていうのが言われてはいたけど、そこまで一応仕方がないよねっていう感じだった。 清水:それは労働基準法? 厚生労働省からきてる? 吉田:そうですね。「改善基準告示」というのがあり、今までは闇雲にドライバーが走っていて残業時間が月に100時間とか120時間とか、多いと180時間とか、そういうところがあったんですけども、「月80時間、年間で960時間以内にしなさいね!」っていうこと。 清水:残業時間ね。ボクなんかもっとやってるけど! 吉田:清水さんはちょっと働きすぎだと思います!!