“初めて笑った”難病の息子へ 母親が描いた絵本 家族で支えともに生きる 未来への願い
「にぃになんて…」絵本を通して芽生えた思い
隼人くんには妹の陽菜ちゃんと、弟の晴くんがいます。 そしてお父さんの圭佑さん。 家族であいかさんの絵本づくりを応援しています。 (圭佑さん)「隼人みたいな子たちも楽しめる本があるんだなというのは僕もわからなかったし、そういうことができるんだなということで、驚いたしうれしかったです」
(庄司あいかさん)「絵本もう1回読む?陽菜、もう1回ガタガタドンドン読んで」 (陽菜ちゃん)「ガタガタドンドン~♪」 いまでは妹の陽菜ちゃんが隼人くんのために絵本を読むこともー でも、陽菜ちゃんには複雑な思いもありました。
兄弟の目線から描いた「ぼくのにぃに」。 「ママがいないとつまんない。保育園なんて行きたくない。ぼくはボソッと、にぃになんてしんじゃえって、言った」 この「にぃになんてしんじゃえ」というセリフ。 陽菜ちゃんが小さいころ、知り合いのお母さんに言ったそうです。
(陽菜ちゃん)「周りの人からじろじろ見られたりとか、これうちのお兄ちゃんって見せた時に「あっうん」って感じの反応が、他の人とは違うんだなって、ちょっと悲しい気持ちになったりとか、小さいころはよくありました」 (圭佑さん)「ショックだったし、でも幼心にそう思うんだろうなと。お母さんが奪われ続けているみたいな、そりゃそうだよね」 (庄司あいかさん)「ずっと押し込めて、私たちの前ではいい子でいてくれたと思うから、そこはしっかり受け止めて、寂しい思いをさせた分これから大きくなっても抱きしめてあげたいし、大好きだよ、大切だよってことを伝えていきたい」
絵本を通していつしか、陽菜ちゃんの心にある思いが芽生えました。 (陽菜ちゃん)「この絵本(ぼくのにぃに)で、別にこれでもいいんだって思ったりとか、お兄ちゃんのことも別にこれが普通だからいいよねっていう気持ちになれました」
家族で支え、ともに生きる
散歩に出かけたあいかさんと隼人くん。 この当たり前の生活も、以前はなかなかできませんでした。 (記者)「小さい時、外に連れ出したくないという気持ちもありましたか?」 (庄司あいかさん)「いや、どちらかというと連れて出さなきゃ、知ってもらわないといけないなと思っていた。なので結構積極的に出るようにはしていて、でも出たはいいけど勝手に傷つくことはありました。今は何か気持ちの問題だったなと思って全然気にならないですよね、隼人は隼人だし」