日本の「ガチ中華」は8割ハズレ…? 100軒以上を食べまくってわかった「悲しい現実」
---------- こんどう・だいすけ/'65年、埼玉県生まれ。「北京のランダム・ウォーカー」(現代ビジネス)を連載中 ----------
「カチ中華」に「火事中華」
「週刊現代」5月18・25日号の特集記事で新著『進撃の「ガチ中華」』(講談社刊)について書いたところ、多くの反響をいただいた。 この本、私が日本で食した100店以上の「ガチ中華」(中国そのものの味を提供するガチンコ中華料理店)の中から、16店の名店を厳選して紹介した「快食エッセイ」なのだが、読者から「行きつけの店」を種々教えてもらったのだ。 場所は東京の池袋、高田馬場、上野、新小岩、竹ノ塚、それに埼玉の西川口、大阪、京都……。いまありがたく一軒一軒、食べ歩く日々だ。 だが新著にも書いたが、日本の「ガチ中華」の8割は、悲しいかなハズレである。 例えば、冷凍パックの水餃子を、さも「手工」(手作り)のように見せかけたのはいいが、電子レンジの加熱時間が足りなくて(? )、固いまま供された。これではカチカチの「カチ中華」だ。 また季節の野菜炒めを頼んだら、強火で炒めすぎて、ナスやアスパラが焼け焦げていた。こちらは「カヂ(火事)中華」。
タクシー運転手との会話で
先日タクシーに乗った際、中華料理に妙に詳しい運転手と「ガチ中華談義」に耽っていたら、ふと漏らした。 「実は後妻が中国のハルビン出身で、彼女の連れ子の息子が都内で『ガチ中華店』を出したいと言う。どう思います?」 運転手は中国人息子の手料理の数々を、スマホの写真で見せてくれた。 「んっ、ガキ中華!」 口元まで出かかって呑み込んだ。
週刊現代(講談社)