66歳のマダム世代になった今「自分らしい着物の着こなし」をより楽しめるようになりました【萬田久子】
多くの女性のファッションアイコンとして注目され続けてきた俳優の萬田久子さんも、66歳のマダム世代に。「年齢なんてただの数字よ!」をモットーに、その時代に合わせて進化しつつも、ずっと愛し続けているものは捨てずに、自分らしく着こなしていらっしゃいます。 そんな萬田久子さんのお洒落アイデアをオール私服&セルフスタイリングでたくさん詰め込んだファッションブック『萬田久子 オトナのお洒落術』より、マダム世代はもちろん、ミドルエイジにも参考になるファッションルールをご紹介します。 【写真で見る】美しい!萬田久子さんの「日常の着物の着こなし」はこちら
【第4回】 マダム世代になった今改めて気づく着物の魅力
和装のデザインを手掛けている友人にアドバイスをいただきながら40代の頃に京都で誂えた一枚。シックで渋い文様は、袖を通す回数が増えるほどにしっくり合ってきたように感じます。華やかで品のよい金斗雲(きんとうん)の袋帯でフォーマルに。
好みや似合うものが分かってきた世代だから、長く愛せる一着を
30~40代の頃、本当にいろいろな着物を誂えました。海外でのパーティーに参加する機会が多く、ドレスより着物のほうが周りの方に喜んでいただけました。またお茶会では、フォーマルな着方を学ばせていただきました。やはりお茶の先生方の着こなしは天晴れです。ここではかんざしも指輪もNG……。いつもの「見て見て!」な気持ちは封印(笑)。だからパーティーでは、遊びを取り入れて着物を楽しんでいたのでしょうね。シャンパンパーティーの時に誂えたのは、少し光沢のあるシャンパン色の着物。それに同系色の帯を合わせて、ドレスっぽい仕立てに。金糸や銀糸を織り込んだ着物は、品よく華やかに自分を演出してくれる心強いアイテムです。こうして、ドレスアップシーンで着物をたくさん着ることで、私らしい楽しみ方を見つけてきました。着物こそ“習うより慣れよ”ですね。 「こういうのを持っておいたらいいよ」と勧められて買った着物たち。でも結局、自分が気に入って購入したもののほうが愛着が湧くんですよね。たとえば私は、着物や帯の文様に込められたストーリーに触れて、その着物や帯に惹かれることが多いかもしれません。自分の好みや似合うものが分かってきたマダム世代であれば、自信を持って、これから長く愛せる一着を仕立てられるんじゃない? 昔誂えた着物には「もう着られないかな」と簞笥の肥やしになっているものも多いのですが、もしかしたらいつか袖を通す日がくるかもしれません。今の私がお洒落の経験値を活かして、着物にバーキンやケリーを合わせて自分らしく着こなしているように、そのうち、当時の手頃な着物も上質な帯を締めて上手にコーディネートができるんじゃないかしら?