ヤマハ、渋谷・桜丘にブランド発信拠点 2施設で構成、若者ターゲットに
ヤマハ(静岡県浜松市)は11月15日、かつて同社系列のレコーディングスタジオ「渋谷エピキュラス」があった渋谷・桜丘の坂の上にブランド発信拠点「Yamaha Sound Crossing Shibuya(ヤマハサウンドクロッシング渋谷、YSC渋谷)」をオープンした。(シブヤ経済新聞) 【写真】「ラボ」内にあるカフェ ヤマハブランドにとってゆかりのある渋谷エリアに新たにオープンしたのは、同社の楽器体験空間やカフェなど併設するブランド体験施設「LAB(ラボ)」と、スタジオなどを備えミュージシャンらが利用できる一般非公開の研究開発サテライト施設「LOUNGE(ラウンジ)」。いずれも今年7月に本格オープンした新複合施設「渋谷サクラステージ」の南側「SAKURAサイド」に拠点を構えながら、「ラボ」は路面ともつながる3階、ラウンジはオフィス棟「SAKURAタワー」の8階に位置し、機能を分けた。広さは、3階=約250平方メートル、8階=約710平方メートル。 メインターゲットは、アーティストやクリエーターをはじめ、音楽の道を志すなどする10代~20代の若者。2010(平成22)年に惜しまれつつ閉店した、渋谷・道玄坂の楽器店「ヤマハミュージック東京 渋谷店」の上階にあったアーティスト向けの施設も、10年以上の時を経て、渋谷に戻ってきた。渋谷エリアには1977(昭和52)年にヤマハ音楽振興会が開設した「渋谷エピキュラス(エレクトーンシティ渋谷)」(2018年閉鎖)も存在。当時「ポプコン(ポピュラーソングコンテスト)」などのアマチュアコンテストを主催していたヤマハと、若手ミュージシャンらの接点も多く、新施設でも同様に、若者世代に向けたブランディングを強化していきたい考え。 3階の「ラボ」では、同社の技術力に特化して「音楽の現在と未来」を発信。4区画で構成し、EXPERIENCE(エクスペリエンス)ゾーンでは、ギターや電子ドラム、シンセサイザー、ハイブリッドピアノ、「VOCALOID」、ミキサーなど、バンドやステージパフォーマンス向けの楽器を中心に展示する。来店客が無料で体験し、スタッフに相談もできるほか、音楽制作や配信機器についてのワークショップも開催。ヤマハの機材を使い楽器や音響情報などを発信できるスペース「STUDIO(スタジオ)」も設ける。 「STAGE(ステージ)」では、仕切りなどで柔軟性のある会場作りができ、ライブや配信などのイベントに対応。ステージ空間の隣にある「CAFE(カフェ)」では、スペシャルティコーヒー専門店「Scrop COFFEE ROASTERS」が監修した「渋谷×音楽」をテーマにしたオリジナルコーヒーなどを提供。「渋谷オリジナルブレンド」(M=420円、L=480円)は、コロンビア産の豆を使い、ほのかにかんきつが香る。静岡の老舗「佐々木製茶」の深蒸し茶を使った抹茶ラテやほうじ茶ラテ(以上、同530円、同580円)も。「HAZY IPA SHIBUYA REMIX」(680円)も、同店オリジナルのフルーティーなクラフトビール。 8階の「ラウンジ」には、エントランスを入ってすぐのラウンジ空間に加え、スタジオ5部屋と応接室5部屋をそれぞれ構える。IT企業なども集積する渋谷エリアの立地を生かし、異業種やメディアとの交流拠点としても活用。浜松市の本社や横浜の「首都圏R&D拠点」と連携し、音楽や楽器の研究開発を進める。 ラウンジには、天井にヤマハの音叉(おんさ)のマークが広がるほか、歴史あるモデルや現行モデル、プロトタイプなどを、ギターやピアノなどそれぞれのカテゴリーで展示。応接室は「プロアーティストの仕事部屋」をイメージしたという。 オープン後約1カ月にわたり、ライブやワークショップなどの記念イベントを開催。同18日まで、数量限定でオリジナルピックを進呈する(無くなり次第終了)。 営業時間は12時~20時(土曜・日曜・祝日は11時~)。火曜定休。
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