渾身の左で沈める 暫定王者アフマダリエフが衝撃TKO 試合後には井上尚弥へ強烈な挑戦状「最強は最強と戦うべきだ」
ボクシング界で“最強”の呼び声も高い傑物に対する闘争心は滾る一方だ。 現地時間12月14日、モナコで開催されたプロボクシングのWBA世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦で、元WBA&IBF世界同級王者の30歳ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)がリカルド・エスピノサ(メキシコ)に3回2分59秒TKO勝ち。現スーパーバンタム級の4団体統一王者である井上尚弥(大橋)への対戦要求を突き付けた。 【動画】ライバルが前のめりにダウン アフマダリエフの戦慄の左をチェック 強烈な拳が血気盛んなメキシカンを打ち砕いた。3回、まず左ストレートで最初のダウンを奪ったアフマダリエフは、そこから攻勢を強め、直後にふたたび左を受けたエスピノサが2度目のダウン。そしてラウンド終了間際にも左ストレートで3度目のダウンを奪い、レフェリーが試合を止めた。 衝撃的な猛攻で早々と試合を終わらせたアフマダリエフ。以前から井上との王座戦を望み、時には挑発的な言動を繰り返してきた30歳のウズベキスタン人戦士は、このエスピノサ戦後も当然のようにアピール。リング上でマイクを渡され、「俺と戦いたくないのなら、その理由を説明しろ。俺が王者だったときはルールを守った。君もルールを守るべきだ。俺は指名挑戦者といつも戦ってきた。だから、説明してくれ」と烈火の如く対戦を要求した。 さらに「俺は準備万端だぞ」と続けたアフマダリエフは「最強の選手は最強の選手と戦うべきだ。俺が義務だ。俺のベルトはどこだ? やろう、イノウエ! 米国でも、日本でも、モナコでもどこでもいい」とも強調。23年6月のマーロン・タパレス(フィリピン)戦で失ったWBAとIBFのベルト奪取に対する想いを最後まで隠そうとはしなかった。 当の井上は今年9月のテレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)戦後に「どのみちやるんで心配しないでください」と明言。ただ、既に対戦予定が詰まっていたために、WBAは暫定王座を認めたとみられている。 今月24日にWBO&IBF世界同級1位のサム・グッドマン(オーストラリア)と東京で対戦する予定だった井上。しかし、挑戦者のスパーリング中の怪我により、試合は1月24日に延期が決定。これにより今後のマッチメイクにも影響が及ぶのは間違いない状況であり、アフマダリエフ戦がどうなるかは興味深く見守りたいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]