ゴルファーなら知っておきたい「ハンディ」の仕組み。ベテランシングルが教えてくれた【参上! ゴルファー応援隊】
ゴルフの上達を目指すゴルファーにとって役立つ情報を発信する「みんゴル・ゴルファー応援隊」。その隊長に就任したシングルプレーヤー・マツケンが上達のヒントになることを紹介。今回は、「ハンディキャップ」がテーマです。
ハンディのシステムは進化している
ゴルフにはハンディキャップというものがあります。実力の異なるプレーヤーが、対等に競う事が出来るように設けられたもので、例えばハンディ20のプレーヤーがハンディ0のプレーヤーにグロススコアで勝つことはかなり難しいですが、ハンディを換算したネットスコアで争うことで伯仲したゲームを楽しむ事が出来ます。 このハンディ、お互いに実力がわかっている仲間内なら問題は起こらないと思いますが、不特定多数の方が参加するコンペなどでは、一定の基準を基に決められたハンディでなければ、公平に競う事が出来ませんよね? 日本のゴルファーにとって一般的なのは「ペリア方式」という、特定のホールの打数を換算して仮のハンディを算出する方法です。でもこれって運不運の要素が大きくて、参加者の実力が反映されたシステムとは言えません。 エンジョイ派のゴルファーにとっては、特に問題ないかと思いますが、競技志向のゴルファーにとっては、自分の実力をしっかりした基準で示してくれるハンディキャップは、とても重要なものだと言えます。 このハンディキャップ、以前は各ゴルフクラブ毎に、基準が違っていて、同じ人でも、Aというコースでは12、Bというコースでは14、などというようにバラバラでした。たとえば、難易度の高いコースのハンディ5は、やさしいコースのハンディ5より一目置かれると言った風潮もあったのです。 でもこれでは、関東や関西、全日本といった規模の大会ではハンディいくつ以内という参加資格を決める事も出来ません。 そこで一定の基準に統一された JGAハンディキャップ制度が作られたました。プレーしたコースの難易度をコースレートという基準で表し、難易度も加味したより公平な制度が生まれたのです。 でもこのシステムが各コースに浸透するには時間がかかりました。日本の武道には、級や段が設けられていますが、多くに場合、一度有段者になってしまえば、その段位がずっと維持されるという、実績や名誉の意味合いが濃いものでした。 ゴルフのハンディもこの風潮が持ち込まれ、実力が落ちてきてもハンディが落ちない「名誉シングル」なんて言葉も生まれました。そうした風潮にあっては、提出したスコアによって容赦なくハンディが下がってしまうシステムは酷なものだと受け止められたのかも知れません。 その後、JGAのシステムは更に進化し、2005年からは1.4などと、小数点1位までの表記に変わりました。 この時、何が起こったかと言うと、全国のハンディ10だったゴルファーが9.9や9.8になり、なんと晴れて「シングルプレーヤー」の仲間入りを果たしたのです。当時、「シングル入りお祝いパーティー」が盛んに行われたのを覚えています。やっぱり日本人にとっては、「段位」だったのでしょう(笑)。 そんなハンディキャップシステムもどんどん進化していくとともに複雑になっていきました。ゴルフの規則書も全部読むのは一苦労ですが、それと同じくらいの厚さのハンディキャップ規則書なるものが存在するほどです。 最近ではコースレートより幅広いレベルのゴルファーにとってのコース難易度示したスロープレーティングという指標も設けられました。 プレーヤーの持つハンディキャップインデックスを、その日の使用ティーや難易度によって当日の適正ハンディを求めたプレーイングハンディキャップに置き換えることで、より実際に即したハンディキャップでゲームを楽しむことが出来るようになりました。 そしてハンディキャップの普及の意味合いもあり、今では僅か3枚(54ホール) のスコア提出でインデックスが取得出来るようになりました。 また、途中、何ホールかプレー出来なかった、という場合でも有効なスコアとして提出出来るようになっているのです。ゴルフコースの会員にならなくても取得する道も沢山あるようです。 世界でも通用するハンディキャップインデックス。まだ持ってない方は、是非、取得してみてください。
ゴルファー応援隊長・マツケン