【南井克巳元調教師 豪腕の視点】レース運び文句なしの1着スタニングローズ、ルメール騎乗ももったいなかった5着レガレイラ
「エリザベス女王杯・G1」(10日、京都) 3番人気のスタニングローズが01年トゥザヴィクトリーが刻んだレースレコードを0秒1上回る、2分11秒1の好タイムで快勝。22年秋華賞以来の復活星を挙げ、2つ目のG1タイトルを手にした。鞍上のC・デムーロは22年のエリザベス女王杯(ジェラルディーナ)以来となるJRA・G1・5勝目を飾った。2着は12番人気のラヴェル、3着には2番人気のホールネスが続き、断然の1番人気に支持されたレガレイラは5着に終わった。 ◇ ◇ これまで、G1で「さすがルメール」と言い続けてきましたが、今回のレガレイラは“さすが”と言えませんね。 あくまでも結果論ですが、向正面で外へ出すタイミングはあったように思うんです。位置取りは悪くなかったけど、内で狭い所に入って、ぶつかってひるんでしまった。キャリアの浅い3歳牝馬だから苦しかったと思いますよ。直線に向いてからの判断、進路の取り方がね。スムーズにさばけていれば際どいレースができたのでは。もったいなかったです。 勝ったスタニングローズは見事に復活しました。スムーズな競馬。前残りの目立つ日だったので、早めの競馬も正解でした。もともと力のある馬で、レース運びも文句なしです。2着のラヴェルは川田君がレガレイラを見ながら上手にレースしました。ホールネスが3着。内枠でいい所につけられたのが大きかったですね。 今年のエリザベス女王杯は力の抜けた馬がいなくて、難しいレースでした。一つ言えるのは、見て言うのは簡単ですが、乗っていると瞬時の判断が求められるから難しい。そう思わせるレースでした。(元JRA調教師)