南海トラフ「注意」 中部企業、BCP再確認 安否確認など周知 小売り、買いだめ対応も
名鉄インプレス(本社名古屋市)も運営する南知多ビーチランド(愛知県知多郡)を通常通り営業する。スタッフは、非常時に備えて来園者の誘導などを確認した。 夏期休暇を控えた企業では、従業員の安否確認など事業継続計画(BCP)を再確認した。 年初に発生した能登半島地震でグループ会社が影響を受けた日本ガイシ(本社名古屋市)は9日、常設の中央防災対策本部からグループ全体に向け、注意喚起を発令。災害に備えた生活を心掛けるように従業員に呼びかけた。同じ森村グループのノリタケ(本社名古屋市)も注意喚起を従業員に通達。工場内危険箇所の再チェックや安否確認の手法について、再確認を求めた。 医薬品卸のスズケン(本社名古屋市)は、南海トラフ巨大地震の対象地域で勤務するグループ全社員に「安否確認システムへの応答準備」など有事の対応方法についての周知を徹底。スズケングループの災害対策本部は名古屋、東京の2カ所体制。一方が被災した際も、機能するように備えている。
愛知県は8日午後5時に災害対策本部を立ち上げた。220人体制で情報収集などを進めている。9日には第1回の災害対策本部会議を開き、大村秀章知事は「当分の間は24時間体制で情報収集と警戒に当たる」と強調。避難経路の確認、備蓄品の用意、停電時の情報収集方法として携帯ラジオの準備、家具転倒防止対策などを呼びかけた。 中京大学経済学部の内田俊宏客員教授は「当地域はかねてから、自動車のサプライチェーンを見据えたBCP(事業継続計画)対策が進められてきた。一方で、中小・零細事業者のBCP策定率は低く、今回の臨時情報を機に中小・零細事業者のBCP策定をより意識しなければならない。自治体による支援や働きかけも必要になる」と話す。