リバースモーゲージやリースバックで高齢者の不動産売却が活発になっている! 買いたたかれるケースもあるが意外なメリットも?!
リバースモーゲージやリースバックがなぜ売却の原因になるのか
リバースモーゲージやリースバックにより不動産が売却される原因として、以下の3つが挙げられます。 ・リバースモーゲージの場合、死んでも借金は残る ・リースバックの場合、「家を売っても住み続けられる」とは限らない ・両者とも「売ることが前提」になっているからリバースモーゲージの場合、死んでも借金は残る リバースモーゲージでは、融資を受けてお金を借りるのが高齢者なので、借りた人が死ぬことを想定した制度設計になっています。端的に言えば「死んでも借金は残り、担保を売ることで返済する」というものです。 基本的には、お金を借りていた人が死亡した場合でも、借金はそのまま残ります。 そのため、契約の時点で「死んだら担保不動産を売却(競売)して借金返済に充ててよい」という約束をするケースが主流です。 こうして、リバースモーゲージを借りていた人が死亡する「想定済みだった」ケースとして売りに出されるのです。 また、それ以外にも返済不能となり手放す場合や、介護施設への入所や入院などで売却する場合もあります。 リースバックの場合、「家を売っても住み続けられる」とは限らない リースバックの広告では「自宅を売っても住み続けられる」というキーワードがよくあります。 しかし、リースバックという仕組みの究極の目的は、「なにもなければ、いつ売りに出るかわからないような、高齢者所有の物件を、リースバックという『きっかけ』で売れるようもっていくこと」だと銀行員の私は考えています。 もちろん正規の業者が取り扱うサービスの一つであり、悪いことでもないとは思います。 リースバックを利用した場合、まず、まとまったお金を手にすることができます。これは自宅を売却したわけですから当然と言えば当然です。 しかし、リースバックを利用する人は、結局お金に困って利用するわけなので、売却代金を手にしても裕福に暮らせるわけではありません。 しかも、これまで家賃が不要だったのに(自宅ですから当然です)、今度は家賃負担が増えてくるわけです。 もうこれ以上は細かく言う必要もないと思いますが、結局のところはお金に困った人が、その穴埋めに自宅を売り、家賃が払えなくなり、手放すことにつながるケースも多いのです。 両者とも「売ることが前提」になっているから リバースモーゲージでもリースバックでも、それぞれが社会的な認知度も高い、よくあるサービスであり、利用することは悪いことではありません。 ただし、高齢者の利用という特徴は、やはり「売ることが前提」になっているという点も重要です。 もともと売るという前提で審査して契約しているのは、リバースモーゲージ(首都圏や大都市近辺の物件なら担保にお金を借りることができるが、地方では利用できないこともある)でも、リースバック(こちらも地方では利用できないことも)でも共通しています。 逆に言えば、物件が首都圏や大都市近辺など「売れ筋物件」に限定されていることからも、そもそもが売る前提だと言えます。