結果同じ金額でも「オプション総額」が高いとユーザーは腰がひける! トヨタが売れる理由のひとつに「ディスプレイオーディオ」の標準化がある
新車ではディスプレイオーディオの採用が進む
「10月らしいのですが、トヨタ・ルーミーが法規対応を中心とした改良を行うそうです。そのときに新たにディスプレイオーディオが採用となるようで、販売現場では昨今の諸物価高騰もあり、車両価格の目立った上昇を懸念する声が聞かれます」と事情通が話してくれた。 【写真】紙芝居でカーナビ!? ホンダが作った”超”ド初期のカーナビとは トヨタ車では多くのクルマというか、一部を除けばほとんどの車種でディスプレイオーディオが採用されているが、確かに現行型のルーミーを見ると、オーディオレス状態が標準であり、ディーラーで従来タイプのカーナビやオーディオを装着することになっている。 「現場のセールスマンに聞くと、ルーミーを希望するお客はそれほどディスプレイオーディオには興味を示さない傾向の人が目立つようで、前述したように車両価格上昇のほうが気になってしまっているようです」(事情通)。 カーナビといえば、かつては新車購入時には「マストアイテム」としてセレクトするオプションだったのだが、いまはスマホのナビアプリ画面をカーナビ機能のない車載ディスプレイに映し出して活用する人も目立ってきたので、過去ほどマストアイテムとはなっていないが、商談にて見積りを作成するときにセールスマンから、「カーナビはどうしますか?」と聞かれれば、「とりあえず」と選んでしまう装備である。 そのカーナビ機能だが、トヨタ車ではたとえばカローラクロス(Xグレードを除く)ではディスプレイオーディオが標準装着されていれば、「コネクティッドナビ」を利用することができる。しかも、本来は有償サービスなのだが、5年間は無料で利用することができる(一部車種では対応はしていない)。 つまり、新車購入時に種類豊富なディーラーオプションのなかからカーナビを選ぶといったことで悩む必要もないし、25万円から30万円ほどを新たに見積書に加算して計上する必要もない。また、一部車種を除き前方のみならば(セットオプションで前後も可能)トヨタ車ではドライブレコーダーも標準装備となり、ETC車載器も標準装備となっている。 たとえばカローラ・クロスの中級グレード以上の購入を検討する際には、見積書にカーナビ本体、前方ドライブレコーダー(リヤは録画機能付きバックガイドモニターをオプション選択する必要がある)、ETC(2.0ユニット)はオプションとして計上する必要はない。仮にこれらをオプション選択しようとすれば、やはり50万円前後は新たに計上されるものと考えていたほうがいいだろう。 支払総額比でどうなるかは別としても、オプションとして別に50万円から60万円計上するかしないかというのは心理面でも大きい。「『他メーカー車ではオプションなのに』という感覚が芽生え、結果的にトヨタ車にお得感を抱き、トヨタ車を選ぶ人がいることも、トヨタ一強の背景にあるといっていいでしょう」(事情通)。