ヤフーの小澤隆生元社長がスタートアップ投資で狙う「爆発的成長」の全貌、「日本のM&Aを10倍にしたい」
今は事前の選別を行わず、全部会っているんですよ。これまで3カ月で200件会った。すべてが起業家、起業家予備軍というわけではありませんけれども。5月15日時点でもう5、6件の投資を決めたので、確率的には3%くらいでしょうか。 ーーまずは起業家と会うわけですよね。 最初の面談は30分やります。起業家から直接何をやっているかを聞きます。 ーーここ(広尾にある現在のオフィス)は1LDKですよね。待合スペースがないので、アポ調整に苦労しそうですが。
時間をキチキチには詰めないようにしています。だいたい30分スロットにして15分空けてやっているので。 ーー200件、どのような人がいましたか。 いろいろな方が来ます。インドネシア在住の方、今スペインにMBA留学してる方とはオンラインミーティングをしました。これから起業をしたいという高校生は製造業の買収をたくさんしていきたいんです、と相談しに来ました。凄すぎるな、と思いました。そういう起業家予備軍みたいな方もいらっしゃる。中にはM&Aをしたいという上場企業の社長などもいるので、いろいろな方と会っています。
堀はずっと現役でベンチャーキャピタルをやってきましたけど、私は10年離れていたので、最新事情がどうなってるのか、もう1回勉強し直すために全部会いました。でも200件会って1周した感じがするので、ここからはお断りする方も出てくると思います。 振り返ると、今回200件会ってよかった。質がよくなっていて、びっくりしました。以前(YJキャピタルやZ Venture Capitalの時代)であれば、エントリーシートの段階で断ったような人に、結果として投資することにもなったので。
社長の雰囲気は、字面ではわからない。以前は、まずは部下たちが書類で落としたり、初期面談をやって落としていたので、私が実際に会うのは週に3件とかくらいだった。今は1日6件とか会っている。文面からはさすがに投資可能性がなさそうだなと感じる方からの問い合わせも来ますけど、可能性が低そうだなと思っていたのに会ったら素晴らしい起業家、というケースがある。今回、そういうのが2、3件ありました。だから以前は会わずに断って損していたかも、という気持ちになりました。