今大会の初出場者は8人! 日本障害者ゴルフオープンの初日を取材
福岡県の麻生飯塚ゴルフ倶楽部で開催されている第29回日本障害者ゴルフオープン選手権は、11日に初日を迎え朝霧のなかスタート。途中からは青空も広がり、この日のために整えられたコースで真剣勝負が繰り広げられた。
今年は8名が初参加。いずれも個性的な面々がそろった。 井黒男さん(右大腿切断)は沖縄県在住の35歳。市役所で仕事をしながら車椅子バスケットの現役選手でもある。ゴルフを始めて3年目。スポーツの“試合”が大好きで本大会に参加した。 「こういう場があることが嬉しくて仕方がないんです。まだ200ヤードちょっとしか飛びませんけど」 300ヤード飛ばす祖父や兄弟に飛距離で負けたくないと笑う。
宮本晃輔さんは生まれつき左右の上肢を欠損しているが、ずっと野球などを楽しんできた。33歳、ゴルフを始めて8年。今年の6月から障害者ゴルフを広めるためSNSで発信を始め、TikTokが“バズッた”。そこに本大会の存在を知らしてくれる投稿がありすぐに参加。 「遊びゴルフから本気ゴルフになりました。グリップの握り方は自分で工夫。5年かかって今のスタイルです。ゴルフは自分の思い通りの弾道で飛んでいったときが楽しいんです」と心から試合を満喫している様子。
一緒に回る“ベテラン”の伊藤英二さん(左下腿切断)は、「若い人たちに囲まれて楽しい。負けないようにしないと」と、ゴルフ魂に火が付いた。
今年も女同士の戦い勃発!?
最年少参加の中島早千香さん(先天性上肢欠損)は、緊張の始球式をしっかり務め、「今回の目標は片倉さんに勝つことです!」と気合い十分。 迎え撃つ片倉郁江さん(左上肢欠損)は、「若い人が増えるといいですよね。伸びしろも大きいし」と少し押され気味。 同組のボランティア、廣田典子さんは、「娘と孫、3世代で回っているようで楽しいです」と2人を見守る。しかし、コースに立てば年齢も性別も障害も関係ない。それぞれが1打1打、楽しみながらも思いを込めてラウンドしていた。 試合は、世界障害者ゴルフランキング対象のグランプリの部で“義足のプロ”吉田隼人が1オーバーでトップ。“義手のプロ”小山田雅人が5オーバーで2日目(最終日)の巻き返しを狙う。 PHOTO/Yasuo Masuda
週刊ゴルフダイジェスト