安倍首相も参加した「メーデー」って何?/木暮太一のやさしいニュース解説
先日、メーデーに安倍首相が参加したことで、話題になっています。本来「あり得ないこと」だからです。 ── 「っていうか、そもそも“メーデー”って何?」 メーデーとは、労働者が団結して権利を要求する日で、「労働者の祭典」と言われています。日本労働組合総連合会(通称:連合)が主催して、労働者が大規模に集まる会を開きます。 ── 「この前、春闘って言うのがあったけど、それと同じ?」 春闘とは違います。春闘は、経営者グループの代表と、労働組合グループの代表が話し合って、給料に関する交渉をする場です。メーデーは、労働組合の代表だけでなく、個々の労働者が集まる会です。 また、春闘と違って、この場で何かの交渉をしたり、行動・作業をするわけではありません。「みんなで権利を勝ち取ろう! 団結して闘おう!」と意思確認をする場というイメージです。 例えば今年は、4月26日(土)に代々木公園に大勢の労働者(約4万人)が集まって、労働者の労働環境を改善するよう演説をしたり、いろいろな団体がブースを出展し情報を出したりしていました。
── 「毎年4月26日にやるの?」 いえ、そうではありません。 もともと世界的に毎年5月1日がメーデーとされていますが、必ずしも5月1日に開催されるわけではありません。5月1日より前で、みんなが集まりやすい日に設定されているようです。ちなみに去年は4月27日(土)でした。 ── 「で、何の話だっけ?」 そのメーデーの中央大会に安倍首相が参加し、演説をしたのです。これは、メーデーの意図から考えると、かなり驚きです。 ── 「いきなり政治家が出てきたから?」 いえ、そうではありません。これまでも共産党の代表や、労働大臣が呼ばれて演説をしています。「政治家だから驚き」なのではありません。 安倍首相が演説をするのが驚きなのは、アベノミクスがむしろ「労働者の敵」だからです。