機体の組み立て&エンジンの製作。主翼の後縁はシャープに削るべし!【達人のプラモ術<ブリストル・ブルドックMkⅡ>】
■複葉機で避けては通れぬ張り線を、どうやって再現?
今回、胴体と主翼などメインのパーツが組み上げたことで、飛行機らしいカタチなってきました。単葉機ならばさぁ塗装!となるのですが複葉機の場合、塗装もお楽しみではあるものの、同時に張り線のこと考えないといけません。 張り線の取り付け位置に関しては詳しく指示されているので良いのですが、さて張り線には何(どんな素材)を使えばよいのでしょうか。古くは木綿糸とかテグス(釣り糸)などが良く使われており、細くてしなやかということで、線に髪の毛を使ったという例もありました(髪の毛は湿度が高いと伸びて弛んでしまいますが)。 木綿糸は毛羽立ち、あまり細いものは望めません、また釣り糸はクセが強く、やや扱いづらいといった感じです。 あと割と使われているのが、伸ばしランナーといったところでしょうか。プラモ製作で使用しないランナーをカットして、火であぶり溶け出したところで引っ張ると、細いプラ線がつくれるアレです。引っ張るスピードで太さを任意でコントロールできる、素材がプラなので接着剤との相性もよく塗装もやりやすい、といったメリットがあります。ただ細くすると切れやすい弱点も。
■オススメはストレッチリギング
昨今、張り線の素材としてイチオシは、モデルカステンから発売されているストレッチリギングでしょう。伸縮性あるナイロン素材でできており、模型用に作られているので細さも1/48の複葉機ならば0.13mmといったものが発売されています。 取り付けは瞬間接着剤を使用します。伸縮性があるので、取り付け後に温度変化などで弛んでしまうことはありません。他の素材に比べてやや高価なのは否めませんが、使い勝手の良さはピカイチです。 また同じようなアイテムとしては、極細の金属線が使われているメタルリギングがあります。これは艦船モデルの張り線で使用されており、より細いものが揃っています。また金属線なので極細でも強度が高く切れにくいといった特徴があります。
■個人的に愛用の極細ピアノ線
ストレッチリギングはイチオシなのですが、今回個人的には極細(0.2mmのピアノ線)を使用するつもりです。 ピアノ線を張り線の長さに合わせてカットして貼るのではなく、取り付け位置にはめ込んで瞬間接着剤で固定します。なぜピアノを使うかと言えば、真ちゅう線や洋白線に比べて強度が高く折り曲がりにくいのと、ピアノ線ははじめから黒染めされているので塗装の手間がかからないからです。 次回第3回はいよいよ機体塗装とピアノ線を使った張線の実践を解説していきます! 乞うご期待!
<製作・写真・文/長谷川迷人>