機体の組み立て&エンジンの製作。主翼の後縁はシャープに削るべし!【達人のプラモ術<ブリストル・ブルドックMkⅡ>】
ブリストル・ブルドックの製作、第2回となる今回は、機体を組んでいきます。一般的な飛行機モデル(単葉機)では、胴体と主翼を合体、できる限り「士」の字に仕上げて機体の塗装となるのですが、複葉機の場合、そうはいきません。 【製作手順を画像で詳しく見る】 なんといっても主翼は2枚あります。これを組んでしまったら機体の塗装ができなくなってしまいます。さらに複葉機の特徴でもある翼の張り線の工作も考慮しながら機体を組んでいかないといけないんですね。(全6回の2回目)
■組み立てと塗装の順番
今回キットは、シリンダーブロックがむき出しのブリストル・ジュピターV2F単列9気筒空冷星型エンジンのディテールが細部までよく再現されているのですが、エンジン本体を機体に組んだ後、シリンダー(9気筒)を取り付けないといけません。 つまるところ、胴体と主翼(下翼)を組んだのちに機体を塗装。さらに塗装したエンジン本体を胴体に取り付けたのち、個々に塗装したシリンダーを取り付ける。上翼は単体で塗装、張線を考慮しつつ、胴体と合体という手順となります。
■主翼の穴あけ指定にミスがあるので注意!
主翼は上下を接着する前に、指定の箇所にピンバイスを使い直径1mmの穴を開けろと指示されています。しかし明らかに直径1mmは大きすぎます。張り線を取り付けるための穴なので、直径0.2mmの穴で充分です。
■主翼の後縁を薄くシャープに加工する
キットの主翼は上翼、下翼ともに上下2枚合わせとなっています。そのためどうしても後縁部分が厚くなってしまい、実感を損ねています。なので後縁を薄く削って薄く加工することをオススメします。 ただしブリストル・ブルドックの主翼は木製の桁に羽布張り構造で、後縁も桁の部分がなだらかに凸状盛り上がっているので、このディテールを潰さないように研磨してください。
■ブリストル・ジュピターV2F単列9気筒空冷星型エンジン
ジュピターは第一次世界大戦中にコスモス・エンジニアリングのロイ・フェデン技士により設計されたエンジンで、1918年から1930年まで生産が続けられ、同社がブリストルに買収されのちも改良を加えられながら生産が続き、当時の航空機業界で最も信頼の高いエンジンとして名を馳せました。 ブリストル・ブルドックでは、冷却のためにエンジンカウリングがなく、鉄製のシリンダーライナをアルミニウム合金で鋳包んで冷却フィンが刻まれたたシリンダーとシリンダーヘッドがむき出しになっているのが外観上の特徴です。 キットは組んでみると9気筒のシリンダーを別パーツ化するなど、細部までエンジンのディテールにこだわっているのが分かります。