「もう二度とカンボジアに行く機会はないでしょう」身に覚えのない罪で突然逮捕された飲食店チェーン経営男性の独白
身に覚えのない罪で突然逮捕
「もう二度とカンボジアに行く機会はないでしょう」。こう憤るのは神戸を中心にニューヨークでも飲食店チェーンを展開する灘本明雄氏だ。彼は今年の4月、カンボジアから帰国直前、まったく身に覚えのない罪で突然逮捕され一か月半も刑務所に収監された。罪状は「脅迫罪」。しかし実際には携帯メールのメッセージを切り張り加工した陳腐な偽の証拠だけで起訴された。しかも存在しない住所に裁判所からのでたらめの日付の召喚状を送って期限内に出頭しなかった、として逮捕状を発行されたのだ。もちろん,召喚状の受領サインも偽造されている。しかし、海外で突然襲われた危機にも頼みの綱だった現地の日本大使館は「カンボジアの法制度なのでしかたないです」と何ら有効な対策を取ろうとしない塩対応だった、と灘本氏はいまだ怒りが冷めやらない。 奥多摩山中で26歳男性がバラバラ死体に…BBQと共に行われた鬼畜たちの狂気の宴 海外での邦人保護に関して、外務省の在外公館が定めている「海外で非人道的扱いを受けた場合には当局に改善を求める」という規約の解釈も外務省邦人安全課によると「どういった場合に改善を求めるか明確な判断基準やルールはない」と平然と答えている。つまり「面倒なことには関わりたくない」と現地大使館が判断すると日本の大使館は積極的には日本人でも助けないのだ。 灘本氏は「なすすべもない孤立無援の状態で刑務所内では死も覚悟した」という。 出所後も約一か月間の出国禁止命令を受けようやく7月に帰国。いまもPSTD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされ心療内科から投薬治療を受けている。 「これはもう完全に犯罪です。意図的に裁判所や警察に金を払ってある人物が私を虚偽告訴し、逮捕させた。司法が完全に腐敗しているカンボジアは日本ではまったく想像できないような事が現実に起こるんです。恐ろしい体験です」と彼は振り返る。心身ともに未だ傷は癒えていない。 灘本氏は2014年、旧知の日本人弁護士から誘われ、カンボジアを夫婦で初訪問した。「アンコールワットくらいしか知らなかった」彼は、素朴な街並みの美しさと同時に、プノンペン市内から1時間ほどの招待された貧しい現地日本語学校で熱心に日本語を学ぶ若者の姿に素直に感動し、カンボジアへの飲食店の出店を即決する。