航空石川20連覇 全国高校ラグビー石川県予選
●113―0、鶴来に大勝 11年連続の対戦 県高校総体ラグビー大会兼第104回全国高校ラグビー県予選最終日(3日・金沢市営球技場)決勝が行われ、航空石川が鶴来を113―0で破って20連覇を果たした。航空石川は12月27日に東大阪市花園ラグビー場で開幕する全国大会に出場する。 決勝は11年連続で同じ対戦となった。航空石川は前半6分に小嶋眞心のトライで先制し、前半に9トライ、後半に8トライを決めた。清藤ジャスティンがチーム最多となる3連続トライの活躍を見せ、小嶋は17本中14本のゴールを成功させた。 過去6度優勝の鶴来は、相手のゴールライン付近まで迫る見せ場もつくったが、航空石川の堅守に阻まれ攻めきれなかった。 ●元日勝って8強入りを 地震からちょうど1年 関東強豪校と頻繁に練習試合航空石川のコーチから監督に就任して1年目の紙谷直樹監督(57)は、花園での目標に「1月1日に勝って8強入り」を掲げる。能登半島地震発生からちょうど1年となるこの日はベスト8が出そろう予定で、部員61人が一丸となって節目の勝利にこだわる。 震災で輪島の学校グラウンドはのり面が崩れて使えなくなった。部員は奥能登に集まること自体が難しく、2月上旬までは帰省先などで自主練習を余儀なくされた。以降は中部大や東洋大が練習拠点を提供したほか、4月からは明星大が使わなくなった東京・青梅市にあるキャンパスを借り、石川で試合が行われる度にバスで8時間掛けて通ってきた。 青梅のグラウンドは輪島の人工芝グラウンドと異なり、天然芝で滑りやすい地質のため、練習中に捻挫する部員が相次いだ。紙谷監督は「最高の練習環境があった輪島を離れたのはデメリット」としながらも、思わぬメリットもあった。目黒、早稲田実といった関東の強豪校と頻繁に練習試合ができ、互角にやり合うことで選手の成長や自信につながったという。 「練習環境を提供してくれた各大学に恩を返すためにも勝ち進む」と決意を込めた。 「鶴来では練習方法の違いから、自分に足りないところが見つかった」と上野は受け入れてもらえたことに感謝し、森も「花園ではMVPを取ってほしい」とエールを送った。