ステップ記録の「60」の陰に親友・渋野日向子の存在あり! 14位に浮上した木下彩が仰天エピソードを披露
<Sky レディースABC杯 2日目◇25日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6645ヤード・パー72> 若い! 6年前の木下彩と渋野日向子【写真】 4バーディ・ボギーなしの「68」で回り、49位から14位に順位を上げた木下彩が、優勝した2週前の「山陽新聞レディースカップ」の最終日にマークしたステップ記録の「60」の裏話を披露してくれた。「実は…」と切り出した仰天エピソードは、大会が始まる2日前の渋野日向子とのプライベートラウンド。「私と渋野と友人2人の4人でゴルフをしたんですよ。渋野も何かといろいろ大変そうだし、私から最近は連絡していなかったけど、向こうから連絡があって、“じゃあ行こう”って話になりました」。 この試合に限らず練習ラウンドは「ほとんどやらない」という。理由は「人が多くて、時間がかかるから」で、練習場などでの調整が木下流。大会前日もコース近くの練習場で調整するつもりだったが、運悪くクローズ。「どうしようかなと思ったけど、なんか面倒くさくなって、その日は何もせずに試合に入りました」と、あっけらかんと“告白”した。 「会ったのは去年以来。一緒にゴルフしたのはホント久しぶり」という渋野とのプライベートラウンドが結果的には最終調整となった試合で、初日、2日目と「68」で回り、最終日にボギーなしの12バーディとビッグスコア。主戦場の米ツアーからいったん帰国中だった渋野からは毎日、「うめぇじゃん」、「すごいじゃん」のLINEが届き、最終日の「60」には「どうしたん!?」と呆れられたという。 出身地は木下が山口、渋野が岡山と同じ中国地区でジュニア時代から試合で顔を合わせることが多く、同じ1998年度生まれの2人は自然と仲良くなった。親友との久しぶりのラウンドで気持ちもリフレッシュ。さらに、驚異のスコアにつながるヒントも与えてくれた。「渋野のパッティングって、すごいワイドスタンスでしょう。で、私もやってみようかと思って。感覚としては今までの3倍です」。肩幅より狭かったスタンスを広げてパットをすると不思議とよく入る。「調子がいいわけじゃなかったし、今でもなんで60なんてスコアが出たか不思議なんです。パッティグのお陰かな」。 5年ぶりの優勝で明治安田ステップ・ランキング(賞金ランキング)は2位に浮上した。同ランキング2位までに与えられる来季のレギュラーツアー前半戦の出場権を獲得することが、現在の一番の目標だ。「そこを意識するとダメになる。でも、あと1勝はしたい。今週は賞金も高いし、頑張りたいです」。首位とは7打差。米ツアーに戻った親友に「勝ったよ」の報告をするために、残り36ホールに集中する。(文・臼杵孝志)