FAのロレンゼン投手と代理人が「二刀流選手」として売り込むべく画策中 その斬新なアイデアとは?
スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が19日、FAのマイケル・ロレンゼン投手(32)とその代理人が、「二刀流選手」として各球団に売り込もうとしていると報じている。 ロレンゼンは24年もレンジャーズとロイヤルズで26試合に登板。24試合に先発し、7勝6敗、防御率3.31と好成績を残している。一方で、打者としては15年から19年までレッズに在籍していた時に合計で145打席、打率.235、7本塁打をマーク。出塁率.279、長打率は.432だった。 投手の打撃成績としては悪くないものの、野手としては平均以下。しかも、過去3シーズンは一度も打席に立っていない。にもかかわらず「二刀流選手」として売り込もうというのは、MLB球団の投手登録数の制限ルールを回避するためだ。 MLBは22年6月に、26人のロースターで登録できる投手を13人に制限するルールを導入した。このルールの一環として、各選手は「投手」「打者」または「二刀流選手」のいずれかに指定される。二刀流選手の場合、投手数の制限にカウントされないから、エンゼルス時代の大谷翔平は他の13人の投手と同時にロースターに登録することが可能であり、他のチームよりも1人多くの投手を抱えることができた。 二刀流選手として認定されるには、特定の条件を満たす必要がある。現在のシーズンまたは前のシーズンで、少なくとも20イニングを投げ、さらにポジションプレーヤーまたは指名打者として20試合に出場し、それぞれの試合で最低3打席に立たねばならない。ロレンゼンについて言えば、25年シーズンに向け契約したチームで、ポジションプレーヤーまたは指名打者として20試合に出場し、それぞれの試合で最低3打席に立てば、二刀流選手に認定され、その資格は25年だけでなく26年まで継続される。 とはいえ、資格を得るために、勝利を目指すチームが打てないロレンゼンを打者として使い続けるのは良いアイデアではない、そこで考えられるのは、ホワイトソックスやマーリンズのような再建チームだ。必ずしも勝利を目指していないため、打席に立たせ続けられる。そして二刀流選手の資格を得た後、ロレンゼンを優勝争いをするチームにトレードする。再建チームは見返りにより、良い若手有望株を手にできる。現在のルールにのっとった斬新で創造的なアイデアだ。 ロレンゼンと代理人はこのアイデアを提案することで、ひょっとしたら次の契約で多少の上乗せ金額や、場合によっては複数年契約を得られるかもしれない。果たして、このような計画を再建チームが本当に受け入れるのか。アイデアとしてはとても興味深い。例えば、他にも前田健太投手のように打つのが大好きで、実際打つのもうまい選手がいる。このオフの前田はFAではないが、スコット・ボラス代理人はどう考えるだろうか。