党存続へ土俵際…社民が熱視線を送るのは衆院鹿児島4区 相手は自民新幹事長の森山氏だが、福島党首が異例の応援入りする理由
社民党が次期衆院選に候補を擁立する鹿児島4区に熱視線を送っている。党の退潮傾向が続く中、比例九州の議席を獲得した際に、復活が期待できる選挙区とみるからだ。九州を最重点地区に指定し、福島瑞穂党首が9月に3日間入るなど支持拡大を急いでいる。 【写真】〈関連〉社民党への支持を訴える福島瑞穂党首(右)。左は4区に擁立する山内光典氏=9月22日、鹿屋市のリナシティかのや
4区は圧倒的な組織力を誇ってきた自民・森山裕氏の地盤。森山氏は新政権で存在感を放つ党幹事長に就いた。社民が推す山内光典氏の陣営は選挙区勝利を前面に掲げるものの、高いハードルが立ちはだかる。 それでも期待をかけるのは、次善の策として比例復活があるため。4区に立てた候補は惜敗率で上位に食い込んでいる。前回2021年は1位(比例九州議席ゼロ)、前々回17年は2位(同1)。県連合の川路孝代表は「4区ではこれまで以上の盛り上がりを見せている」と手応えを語る。 西之表市が地元の山内氏は馬毛島の自衛隊基地整備に反対して出馬を決めた。福島党首は鹿屋市での講演で「戦争をする国へ大きくかじを切っている」と自民批判の受け皿になる姿勢を示した。取材に対し、3日間も一人の応援に入るのは異例とし「支持を拡大させたい、強い思いがある」と力を込める。 社民は党存続の土俵際状態が続く。公選法上の政党要件は(1)所属国会議員5人以上(2)直近の衆院選または参院選で得票率2%以上-のいずれかが必要。22年参院選で(2)をクリアしているため、今回は存続に直接影響しない。とはいえ、川路代表は「4区は党の全国的な期待を背負っている。党の基盤を守るためにも、衆院選でも全国で2%以上を獲得したい」と話す。
南日本新聞 | 鹿児島