決勝戦完封の世代NO.1右腕、センバツから覚醒した152キロ右腕などこの夏で評価を上げた超高校級投手13選!
夏の甲子園出場校が出そろった。この1カ月あまり開かれた地方大会は、多くのドラフト候補にとって最後のスカウトへのアピールの場だ。 12球団のスカウトが注目する“ドラフト上位候補”はどんなアピールができたのか? 今回は投手の地方大会でのパフォーマンスを振り返っていきたい。 【一覧】甲子園出場を決めたトッププロスペクト ※アピール度 A=春よりも評価を上げた、B=評価かわらず、A評価の投手と比べると劣る内容
甲子園に登場する「超高校級投手3人」!
藤田 琉生投手(東海大相模・甲子園出場) 神奈川大会成績:20.1回17奪三振自責点4防御率1.77 アピール度 A この夏の大会で大きく評価を上げたのは198センチ左腕・藤田 琉生投手(東海大相模)だ。今春の県大会では桐蔭学園戦で1対0の完封勝利を挙げるなど、完投能力が身についた。ただストレートが140キロ台前半で、ドラフト候補として見ると、威力不足な印象を受けた。夏は課題だったストレートが大きくレベルアップ。チェンジアップ、カーブの精度も高く、変化球中心の組み立てができる。この身長ながら、クイック、フィールディングの動きは悪くない。器用なところも評価できる。 準々決勝の日大藤沢戦で最速148キロ、平均球速142.28キロ、準決勝の向上戦では最速149キロのストレートを投げ込み、スタンドがどよめいた。連投となった決勝戦ではあまり直球が走っていなかったが、しっかりと休養をとった甲子園のマウンドではどんな投球を見せるか楽しみだ。 今朝丸 裕喜投手(報徳学園・甲子園出場) 兵庫大会の成績 26.2回24奪三振自責点3防御率1.03 アピール度 A 世代NO.1右腕と評価される今朝丸 裕喜投手(報徳学園)は大会が勝ち進むごとに調子を上げることができた。大会初戦の舞子戦で5回4失点と苦しい投球だった。空振りを狙ったストレートは高めに浮いたところを振り抜かれてしまい、次々と失点を許した。初戦登板の2週間後の24日の準々決勝は神戸学院大付戦で7回無失点の好投。そして決勝の明石商戦では完封勝利を挙げ、今朝丸らしい投球を見せた。 大会後半では伸び上がるような140キロ台後半の速球が復活し、スライダー、カーブを器用に投げ分けながら、打者を翻弄する投球を披露した。夏の甲子園ではセンバツ以上の投球ができれば、世代NO.1右腕の評価は確定になるのではないか。 関 浩一郎投手(青森山田・甲子園出場) 青森大会成績 17回19奪三振自責点2防御率1.05 アピール度A 夏にかけて急激に伸びてきたのが青森山田の関 浩一郎投手だ。準々決勝の八戸学院光星との宿敵対決では1失点完投勝利。常時140キロ台前半・最速147キロの速球は伸びがあり、130キロ台前半のカットボールの切れ味も鋭く、センバツよりも格段に成長している。まだ春の時点では調子が良い時と悪い時の差が激しかった。夏では140キロ台が当たり前になり、平均値が大きく高まった。 そして決勝の弘前学院聖愛戦では2回、無死満塁の場面でマウンドに登り、計8回を投げて2失点の力投。この試合では最速152キロをマークし、気合が入ったマウンド裁きは見ていて心を打つものがあった。甲子園でも青森大会のような投球で圧倒できれば、さらに評価は上がりそうだ。