キャサリン妃が「異例のがん公表」に至った経緯、直前には「写真加工」をめぐって批判されていたが
王室のメンバーを謝罪させることに至った事件についての記事をイギリスの新聞のウェブ版で読むと、読者のコメント欄には、「誰でもスマホの写真編集ぐらいやっている」「これって、報道するような話なの?」「キャサリン妃がかわいそう」などの同情的な声が目についた。 王室が編集前の画像を公開しないと発表したことで、「真実を知りたい」という国民の渇望感がさらに強まった。 これに応えるかのように、キャサリン妃の謝罪後まもなく、夫ウィリアムとウィンザー城近くのファームショップで買い物をしている動画を大衆紙サンが掲載。たまたま目撃した人が撮影したものだ。これさえもフェイクではないかという人もいた。
■動画公開でイギリス国民が「悟ったこと」 そして3月22日夕方、衝撃的な動画が映し出された。キャサリン妃が「がんが発生していたことがわかった」と自らの言葉で語ったのである。1月に腹部の手術をした時にはすぐにわからなかったが、後にがんが発生していたことわかった、と。「非常に大きなショックでした」。自分ががん患者となったことを夫や子供たちが受け入れるまでに最大の努力を続けてきたという。 この時、動画を視聴した国民はなぜキャサリン妃の容態について何も発表されなかったのか、なぜ公に姿を現さなかったのかを悟った。まずは家族の中で事実を反芻し、それを受け入れるまでの時間が必要だったのだ。特に、3人の子供たちに病状を伝え、母親は大丈夫だと理解してもらうことに注力していたのだという。
BBCが撮影を担当した動画の中のキャサリン妃は縞の長そでTシャツにジーンズというカジュアルな格好だった。もともとスリムなキャサリン妃は一段とやせたようだ。そのやせぶりが心身の疲労を想像させた。 キャサリン妃は国民から寄せられた愛情と激励のメッセージに感謝し、「治療が終わるまで」家族のプライバシーを尊重してほしい、と訴えた。最後は、がん患者やその家族へのメッセージだった。「どうか信頼と希望を捨てないでください。あなたは1人ではないのです」。