キャサリン妃が「異例のがん公表」に至った経緯、直前には「写真加工」をめぐって批判されていたが
こうした中、3月上旬になって、アメリカの芸能情報サイト「TMZ」が療養中のキャサリン妃の写真を掲載。ウィンザー城近くを走る車の中で、サングラスをかけたキャサリン妃は助手席に座っていた。 パパラッチが撮影したこの写真は複数のアメリカメディアでは報道されたが、イギリスのメディアは取り上げなかった。王室から「プライバシー保護と皇太子妃の回復」のために、掲載しないよう要請があったという。 「キャサリン妃は失踪したのではないか」などの陰謀論まで広がる中、イギリスの「母の日」となった3月10日、皇太子夫妻はソーシャルメディアのアカウントで家族の写真を公開した。
撮影したのはウィリアム皇太子。カメラの前で、椅子に座ったキャサリン妃を3人の子供たちが囲んでいる。元気そうなキャサリン妃の姿、一斉に笑顔を向ける子供たちの構図ですべての懸念、臆測を解消させる意図があった。 しかし、事態は意外な方向に進んでいく。10日夜になって、アメリカのAP通信が「写真が加工された可能性がある」として配信を取り下げた。翌日までにほかの通信社も続々とこれに続いた。 APでは、デジタル写真に対し、色の補正やトリミングなどの微調整は認めるものの、背景をぼやけさせる、明暗差を変えるなど元の画像を大きく変える編集が入ったものは使わないことになっているという。
公共放送BBCを含む主要メディアはどこがどう変わったのかを調べ上げ、ウェブサイトに掲載した。通信社による画像の一斉取り下げは異例だ。 ■写真を「編集していた」とSNSで謝罪 主要報道機関が「加工していること」と判断したということは、「キャサリン妃は実は同席していなかったのではないか」という観測までソーシャルメディアで出るようになり、火に油を注ぐ結果となる。 アマチュア写真家として知られ、3人の子供や王室メンバーの写真を撮影して公表してきたキャサリン妃にとって、配信者から取り下げ措置を受けるのは面目丸つぶれだったに違いない。家族の写真公表から2日後、キャサリン妃はソーシャルメディアのアカウントを使って、「編集をしていた」ことを認め、謝罪した。