女性が「ハッピーに生き抜く」ために必要なこと ~新内眞衣が伊久美亜紀氏と考える女性の現在地
■女性の身体を考える
伊久美氏は、3月2日に札幌市内で行われた”女性の生き方を考える”啓発イベント「HAPPY WOMAN FESTA 2024 HOKKAIDO」に出演。国内最大級の国際女性デーイベントで、登壇した。 伊久美:2年目なのかな? 松本裕子さんという北海道で医療ジャーナリストになられている方が主催されていて、バービーちゃんと北海道大学病院の産婦人科医、小林範子先生と4人で登壇したんですけど、盛り上がりました 東島:イベントの趣旨としては『Know yourself Love yourself(自分を知り、自分を大切にする)』をテーマに頑張る北海道の女性たちに贈るヒントを伝えていくイベントということだったんですけれども、ここでテーマに挙がったのがホルモンなんですよね 伊久美:このホルモンの話題って盛り上がりますよね 新内:いやぁ、ほんとに(笑) 伊久美:なんでですかね。特にバービーちゃんって、すごくホルモンとつきあってきた人で、お医者様マニアだし、検査マニアだし、すごく詳しいのね。『ホルモンていうおばけを退治してきた!』なんていう言葉も出てくるぐらい 新内:ほお 伊久美:ホルモンって盛り上がりますよねぇ 新内:そうなんです。今日も打合せの段階でホルモンの話をした時に、ホルモンにはなかなか抗うのが難しいといいますか…… 東島:そう。思わず『ホルモン!』って言っちゃったりとかね(笑) 新内:まあ、それくらい身体にとっては大事なものでもありますし、向き合わなきゃいけないものなのかなとは思うんですけども 東島:ホルモンでいうと、例えば月経にまつわることだったり、更年期障害に伴う話だったりっていうのが多く語られていますけれども、男性スタッフにも聞いてみたんですよね、新内さん 新内:そうなんですよ。その、やっぱり月経のこととかを女性が話しているのをどうやって受け止めているんだろうっていうのが、すごく気になりましたし、やっぱり自分とは違うものじゃないですか。自分にないものだったりするので、そう考えた時に、どうやって受け止めてくれているのかなっていうのを聞いたんです 伊久美:男性のスタッフに? 東島:スタッフに 新内:でも、そこでは意外と今は結構情報とかもたくさんあるので、だんだん知っていくが増えて、もう何か受け入れてくれている方が多かったんですよ。だから、認知度っていうか、受け入れ態勢みたいなものは、少しずつ広がっていっているのかなとは思います 東島:若い世代だと、よりそれが強いかもしれませんが、私たちの時代って教育ってなると、男女別で、そういった生理の話とか受けていたんですよ 伊久美:東島さんたちでもそうなの? 東島・新内:はい! 東島:伊久美さんの時代はどうですか 伊久美:伊久美さんの時代…もちろん、全然別々よ! 東島:じゃあ、皆さん独学で知るしかなかったってことですよね 伊久美:教わらないですよね、多分男性は絶対ね。で、放送でいいのかな……多分血とか出ちゃったら男性陣って死んじゃうよね 東島:びっくりしちゃったりするってこともあるかもしれないですよね 新内:ショッキングですよね 伊久美:(男性は)痛みに弱いしね 東島:そうなると、なかなか理解の難しさっていうのが伝わるかと思いますけれども 伊久美:理解っていうと、そのイベントで一番出たのが、結局まだまだ我慢をしちゃう人がとても多いということ。このテーマでもあったんだけど、我慢をしすぎないで、もっともっと自分を褒めたり、愛したりすればっていう落としどころだったんだけど、そこにやっぱり理解力、まわりの理解がある、ないっていうので、ずいぶん違うよねぇなんて話が出ました 新内:はい 伊久美:ただ、バービーちゃんは『死ぬほど自分のことが好きなので、大丈夫です』って、ずっと言っていました 新内・東島:(笑) 新内:まあ、そうですね。私たちも医系とかに関しては、痛みとかに関しても、人によって違かったりするじゃないですか 東島:そうなんですよ 伊久美:そうですね 東島:女性同士で話すにも個人差があって難しいですよね 伊久美:全然大丈夫な方と、もう本当につらい方と、いらっしゃいますもんね 新内:セルフケアの面とかでは、どういったお話とかされていたんですか 伊久美:それぞれですか 新内:はい 伊久美:本当に4人4様で。ただ、やっぱりその中で一番疎いというか、更年期とかに気づかなかった。私、その時に一番年上だったんですけど、40歳のバービーちゃん、50歳の松本さん、私が60で、私はあんまり気づかなかったタイプなんですね。そういうのを先生に伺ったら、そういう方もいっぱいいる、と。ただ、私は50歳の時にちょっと不調を感じて思い切って病院に行ったら卵巣嚢腫と診断されて、その後に閉経して、すごく快適になった。なので、私の場合は、普段気づかなくてもちょっとした変化で病院に行ってみるっていうのがいいよねって話から、とにかく我慢しないで行動する、お医者様に行く、そういう話になりましたね 新内:でも、変化に気づくっていうのも、やっぱり自分のことをちゃんと知っているからこそじゃないですか。何か普段から心掛けていたこととかあるんですか 伊久美:多分、もう本当にバブルの世代なので、50歳で閉経がきて、10年前だけど、ずっと駆け抜けてきたんです。自分をこう顧みるとか、一日の最後にリセットするみたいなのはなく、ずっときていたんです 新内:はい 伊久美:でも、やっぱり40を過ぎて、50歳近くなってからは、その時間をつくっていましたね、必ず 新内:あぁ 東島:リセットの? 伊久美:5分でも、10分でも、自分のことだけ。周りのことを何も考えないでボーッとするとか、とにかく自分のことだけを考えるっていうのを5分でも10分でも絶対に捻出するっていうのは、自分はやっていました 新内:それをやろうと思ったきっかけみたいなのはあるんですか 伊久美:やっぱり健康の不調というより、衰えだよね(笑)。外見の衰えっていうのは…やばい、やばい、まずいかな? 東島:自分の中では、そんなことないですけどね 伊久美:まずいなっていうのが来るのよ、やっぱり 新内・東島:うーん 伊久美:そうすると、途端に何ていうんでしょうか、自分を大事にしなきゃと思いましたよね。だからって急に生活は変えられないのでね。働き盛りだったりもするし 東島:えぇ 伊久美:なので、とにかく集中して、集中してぼんやりするというのかな 新内:集中してぼんやりする…… 伊久美:その時間をつくりました 新内:まだやったことがないかもしれないです 東島:そうですね、もうちょっと足りないかもしれないですね、ぼんやりがね(笑) 新内:結構、今の段階から気をつけていくっていうことも大事なのかもしれないですね 東島:そうですね 伊久美:自分のことをやっぱり考えないと! 自分を、もう本当に1日1回でも。皆さん考えていらっしゃるかもしれませんけど、自分のことを考える時間を無理矢理つくるっていうのが大事だと思います 新内:自分のこと、考えられますかね 東島:それを勝手な時間とか、ちょっと後回しにする時間ってなりがちなところがよくないですよね、伊久美さん 伊久美:そう! やっぱり人のことを思うためには、自分のこともやっぱりちょっと思っておかないと、真の思いやりは、ちょっと難しいかもね 新内:ああ。でも、確かに何か我慢じゃないですけど、ちょっと頭痛とかがしたりしても、まだいけるって、どこかで思っちゃうんですよ、まだ 東島:思いますね。30代前半なので言う程ではないかなとかね 新内:そうなんですよ! 伊久美:でもね、そういうふうにやっていくと『いつ言うの?』になっちゃうのよ 新内:そうなんですよ! 東島:(笑)。そうなんですよ! 伊久美:その時に言わないと! 新内:だから、気づいたら『あっ、収まった。良かった』みたいになっちゃうんですけど、そういうのってやっぱり蓄積していくものだから 東島:はい 伊久美:そう! 新内:ちゃんとやっぱり身体と向き合わなきゃいけないんですかね 東島:まさに今のお話って、伊久美さんとやらせていただいているフェムテックっていう番組に通じるものがあるんですよね。伊久美さん、フェムテックについて改めて教えていただけますか 伊久美:はい。もう3年目になりますかねぇ。『フェムテック』っていうのはこの5、6年で結構聞いたことがある言葉だと思うんですけれども、女性の健康課題をテクノロジーで解決するものやサービスというのが定義なんです。ただ、私たちの番組では、ものやサービスだけで解決するというよりも、もうちょっと女性の健康課題から社会課題っていうところまで広げた感じで、フェムテックの講義っていう形で、いつもいろいろなプロフェッショナルな方を呼んで、いろんな角度で話していますよね 東島:そうですね。で、その中で自分を大切にすることっていうお話が出ましたね 伊久美:結構出ますよね 新内:例えば 東島:ご家庭で、どうしても孤独感を感じてしまっているお母さんとか、私が倒れたらどうしようもないと思う責任感から追い詰められてしまうんだけれども、その手前で自分を大事にしましょう、と 伊久美:はい 東島:なかなか後回しになってしまいますからね 伊久美:そう。新内さん、さっき仰ってましたけど、そう考える自分の罪悪感みたいなのがある。子供もいる、いろんな部下もいる、いろんな環境の中で、自分のことを考えたら良くないんじゃないかって罪悪感を持っちゃう。そして、我慢しちゃう。そして、なんとなく溜まっていくっていう方が多いよね 東島:そうなんですよね 新内:確かに、生放送を毎週しているんですけれども、体調面とかってすごく気遣うんですよ。やっぱり空けられないというのがあるので 伊久美:そうですよね 新内:でも、例えば、ちょっと頭痛がするなーって時に、果たして我慢してしまう可能性もあるなぁと思っているので、そこはもう敏感にというか、ちゃんと自分の身体と対話していかなきゃいけないのかもしれないですね 東島:我慢かあ。愛を持ってっていう、まさに『愛だよ、愛』につながる話ですけど、ね、伊久美さん 伊久美:はい!