ニチハ 主力外壁材を全国生産 30億円超投資、物流費削減へ
外壁材(サイディング)大手のニチハ(本社名古屋市)は、売り上げの6割以上を占める主力製品「モエンエクセラード」シリーズを全国6工場で生産できる体制を整える。外壁材は重量があるため、売り上げに占める物流費割合が平均13%を占める。2024年問題で運賃が上昇傾向にある中、需要の高い製品を全国生産し物流費削減を目指す。2027年3月期までに品質安定化も含め計30億円超の投資を実施する計画だ。(武居皇弥) 設備投資を実施するのは、エクセラードシリーズを製造する名古屋工場(名古屋市)、いわき工場(福島県)、下関工場(山口県)、子会社ニチハマテックスの習志野工場(千葉県)、衣浦工場(半田市)、高萩ニチハの高萩工場(茨城県)。 従来は製品の種類ごとに生産工場を分けていたため、近場で受注があった場合でも、遠方の工場から長距離輸送が必要となるケースがあった。残業規制の強化など24年問題でドライバー不足と運賃上昇が課題となる中、需要が高く、物流費削減効果も大きい製品ラインアップを全6工場で生産できるようにする。
エクセラードシリーズは国産木材チップを利用した「オフセットサイディング」で、高品質な外壁材。厚さが安価な外壁材と比べて2ミリほど厚い16ミリで、陰影を出した重厚感あるデザインや耐久性などが優れている。一戸建て住宅を中心に広く採用されており、同社売上高(24年3月期1427億円)の6割以上を占めている。 殿井一史取締役専務執行役員は「各地の工場で製造する製品種類を増やすことで生産効率は落ちるが、売り上げに占める物流費の割合が大きい当社にとって、それ以上に物流費削減の効果が大きい」と話している。