能登半島支援、地域差が課題に 「輪島や珠洲がクローズアップ」
能登半島地震は被害が広範囲にわたる。人的被害は石川県輪島市や珠洲市など半島北部に集中する一方、住宅被害は県内の全市町に及ぶ。専門家は支援を進めるのに当たり、地域ごとで差が生まれる可能性があるとして「各地の状況把握が重要だ」と訴える。 「輪島や珠洲がクローズアップされ、他の地域は何もないみたいだ」。志賀町に住む50代男性は複雑な心境を口にした。同町は24日午後2時時点で死傷者94人、住宅被害3754棟。断水や家屋倒壊で自宅に戻れず、他の被災地同様に過酷な避難生活を強いられる。 町山間部で区長を務める小橋敦郎さんは、自力移動ができない高齢者が町中心部で行われる入浴支援を受けられないと明かし「端っこの地区にも手を伸ばしてほしい」と話す。同町の北風賢二さんは「被害が甚大な輪島を優先してほしい」としつつも、「志賀も大変な状況だ」と訴え涙を流した。 「日本災害救援ボランティアネットワーク」の寺本弘伸常務理事は、2018年の西日本豪雨ではマスコミが取り上げない地域で物資やボランティア不足が確認されたと指摘した。