だいたひかるが罹患した細菌感染症「蜂窩織炎」とは 予防法・症状を医師が解説
お笑い芸人のだいたひかるさん(49)が細菌感染症の一種である「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」に罹患したことを自身のブログで公表しました。39度と表示された体温計の画像をアップし、病院に連れて行ってもらったとのことです。 【イラスト解説】全国で流行中の「手足口病」 症状・予防法とは 皮膚とその下の組織に細菌が感染することで炎症が起こる蜂窩織炎は、足のすねや甲、顔に起こることが多く、腫れや赤み、熱感などが出現して広がります。 今回は、蜂窩織炎の症状や原因、受診科目や検査、治療や予防法などについて、医師の武井先生に解説していただきました。
蜂窩織炎とは
編集部: 蜂窩織炎とはどのような疾患でしょうか? 武井先生: 蜂窩織炎は蜂巣炎(ほうそうえん)ともいい、皮膚とその下の組織に細菌が感染することで炎症が起こる疾患です。黄色ブドウ球菌と化膿レンサ球菌などの原因菌が皮下に入り込み、真皮深層から皮下組織・筋膜で炎症を起こします。 丹毒(たんどく)や伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん・いわゆる「とびひ」)と同様に、皮膚の細菌感染症の中でも一般的な疾患です。
蜂窩織炎の症状
編集部: 蜂窩織炎はどのような症状が現れますか? 武井先生: 蜂窩織炎では、患部の皮膚が赤く腫れて熱感が出たり、ぶつぶつが出たりなどの症状が広がります。触ると痛むこともありますが、この痛みは細菌感染によるものと、細菌に対して免疫を攻撃することが原因と考えられます。 身体のどこにでも発生しますが、よく見られるのは顔や足のすねや甲です。発熱したり悪寒が出たり、倦怠感を伴ったりすることもよくあります。 同時に複数カ所に発生することはほとんどなく、人にうつることもありません。治療が遅れると、リンパ節が腫れる、頭痛や発熱、悪寒や倦怠感などが現れる場合もあるため、早期の治療が求められます。
蜂窩織炎の原因
編集部: 蜂窩織炎はどのような原因で患いますか? 武井先生: 蜂窩織炎は黄色ブドウ球菌と化膿レンサ球菌が主な原因菌で、ほかにも原因となる細菌があります。これらの細菌が皮下に入り込み、真皮深層から皮下組織・筋膜で炎症を起こします。 編集部: 黄色ブドウ球菌と化膿レンサ球菌以外にはどのような細菌が原因になるのでしょうか? 武井先生: 大腸菌や嫌気性菌、インフルエンザウイルスなどが原因となることもあります。 編集部: 細菌にはどのように感染しますか? 武井先生: 人間の皮膚は細菌などの異物が入りこまないようにガードしています。しかし、切り傷や刺し傷や引っかき傷、手術、やけど、水虫、アトピーやその他皮膚の疾患などで傷ができると、そこから細菌が侵入してしまうことがあります。 こういった細菌が皮下組織に侵入することで、細菌に感染してしまうのです。一方で先ほど解説したような傷がない場合でも、骨髄炎などがあると原因菌が皮下組織にも侵入して、蜂窩織炎になってしまうこともあります。