Jリーグ 複雑怪奇なスーパーステージの矛盾
2ステージ制の正式決定
Jリーグは17日、都内で理事会を開催し、J1の開催方式を2015年シーズンから2ステージ制に変更することを正式に決定する。2004年シーズン以来、11年ぶりに復活する2ステージ制は従来の形態とは異なり、第2ステージと年間王者を決めるチャンピオンシップの間に「スーパーステージ(仮称)」を新たに創設。最大で5チームがポストシーズンに進出する仕組みになっている。 具体的には下記の通りとなる。 【スーパーステージ】 [1]第1ステージ優勝 vs 第2ステージ2位 [2]第2ステージ優勝 vs 第1ステージ2位 [3][1]の勝者 vs [2]の勝者 【チャンピオンシップ】 年間総合勝ち点1位のチーム vs [3]の勝者 いずれも一発勝負で行われ、日程的には18チームで争われる現行の全34試合に3節分をプラス。それに伴い、シーズンの開幕を現在の3月中旬から、2月中旬もしくは2月下旬に前倒しされることになる。 Jリーグや全40のJクラブの社長で構成される実行委員会は、ホーム&アウェー方式で行われている現行の1シーズン制こそが、シーズンを通して最も安定したチームを決めるベストの方法であることを認識。その上で、2008年をピークに減少傾向にある観客動員数など、Jリーグ全体を取り巻く環境を存続に関わる深刻な問題と受け止め、抜本的な改革が必要という点でも一致していた。 そうした観点に立った一連の議論の過程で導き出されたのが「2ステージ制+スーパーステージ+チャンピオンシップ」となるが、賛成を唱えた実行委員の中からも「分かりにくいのではないか」とファンへと浸透度を懸念する声が上がったという。 2ステージ制を再導入する上で、Jリーグにとって最大の「トラウマ」となっていたのが2000年シーズンのケースだった。 第1ステージで横浜F・マリノス、第2ステージでは鹿島アントラーズが優勝。両チームによるチャンピオンシップが国立競技場で華々しく開催された一方で、両ステージの勝ち点を合計した数字では柏レイソルが1位となる事態が発生。最も安定した力を発揮したチームが評価されないのは、おかしいという議論に発展し、その結果として2005年シーズンからの1シーズン制導入につながっている。 そうした背景もあって、今回の改革においても年間総合勝ち点1位のチームに対して無条件でチャンピオンシップ出場権を与えたわけだが、2000年シーズンはあくまでも稀だ。