レッドブルがJ2昇格大宮アルディージャに翼を授けるのか 次の目標は?
【デリケートな論点...オレンジから赤へ?】 ワンダーリッヒ氏が言う。 「日本という国、大宮という街に、どういった関わりができるのか、本当に長いプロセスを踏みながら話し合ってきました。大宮のすばらしいところは地域のコミュニティ。そういったところも含めて、いろいろな可能性をスポーツとして示せるという確信があります」 トップチームは2025年からのJ2復帰を決めたが、望まれるのはJ1復帰と定着だ。RB側もメディアに提示した資料で「3~4年でJ1昇格、2030年にはタイトルを争う、ACL参加」との青写真を示した。 ゴメス氏は「ステップ・バイ・ステップ」を強調する。 「結果を出すためなら何をやってもいい、というわけではありません。何か特別なものを示すとか、成し遂げるということではなく、私たちが掲げる『翼を授ける』の言葉どおりに、クラブと選手をしっかりと支えたい。若くて可能性のある選手をしっかりと発掘して、一緒に育てていきながら、J3からJ2、J2からJ1へと、ステップ・バイ・ステップで着実に目標へ向かっていきたいのです」 RBの傘下では、ライプツィヒがドイツ5部リーグからブンデスリーガまで駆け上がり、チャンピオンズリーグへ出場するまでに成長している。そのライプツィヒの軌跡を念頭に、ゴメス氏が説明する。 「過去の実績と同じようにやればいいのかと言えば、決してそうではないと思っています。 いろいろな国があり、いろいろな文化があり、いろいろな習慣があります。そういったものに対して尊敬を持ちながら、仕事を進めていきたいと考えています」 RBによる買収が発表されてから、チーム名、エンブレム、クラブカラーなどのプロパティが注目を集めてきた。大宮アルディージャのクラブカラーはオレンジだが、レッドブル傘下の複数クラブは赤をファーストカラーとしている。 フィリップ氏がうなずいた。RBにも、大宮アルディージャにも、デリケートな論点だからである。 「プロパティについては、たくさんの議論を重ねてきました。大宮アルディージャとしてこれまで築いてきたものを、しっかりとリスペクトしたいと思います。一方で、私たちのグローバルネットワークにあるということも含めて、我々の哲学が反映されたものしたいとも考えています」