【社説】大韓民国の憲法・最高裁判決に背き、日本の肩を持つ尹政権
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、新潟県の佐渡鉱山で朝鮮人の「強制労働」が行われたことを日本が事実上否定しているにもかかわらず、同施設がユネスコ世界文化遺産に登録されるよう賛成した。これは見過ごすことのできない重大な「外交惨事」だ。この決定で、尹政権は日本の歴史歪曲に加担し、これを国際的に公認までしたという批判を免れなくなった。尹大統領は、なぜこのようなことが繰り返されるのか国民の前で説明し、自分が大韓民国の大統領職を遂行するのに適した歴史認識を持っているのかを自問しなければならない。 日本の加納雄大ユネスコ大使は27日(現地時間)、インドのニューデリーで開かれた世界遺産委員会の審議で「朝鮮半島出身の労働者について勧告を誠実に実行し、韓国と緊密に協議し、『佐渡島の金山』の歴史全体を包括的に伝えるための展示や施設の充実に努める」と述べた。日本は2015年7月、端島(軍艦島)の登載過程では「多くの朝鮮半島出身者などが自身の意思に反して連れてこられ、厳しい環境のもとで働かされた」という事実を明確に認めた。ユネスコ世界遺産への登録決定は、満場一致で決めるのが慣例となっている。韓国政府がこのような事実をテコに十分な「外交的努力」を傾けたなら、少なくとも2015年と同レベルの言及を引き出すことができたはずだ。 1940年から佐渡鉱山に連れて行かれた朝鮮人労働者1519人がどんなに過酷な扱いを受けたかは、韓日市民共同調査報告書「佐渡鉱山・朝鮮人強制労働」などに詳しく記録されている。彼らは日本政府が合法的に動員した可哀想な労働者たちではない。「臨時政府の法統を継ぐ」大韓民国の憲法精神によると、「不法な植民支配・侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員の被害者」(2018年10月最高裁判決)たちだ。大韓民国の政府なら、この事実が展示などに反映されるよう最善の努力を尽くすべきだった。それが政府の負うべき最小限の「憲法的責務」だ。 日本政府は2018年11月から、植民地支配は合法であり、朝鮮で実施した労働力の動員は「強制労働」ではないという意味を込めて「朝鮮半島出身労働者」という言葉を使っている。2021年4月には「強制連行」、「強制労働」などの表現が不適切だと閣議決定した。大韓民国のアイデンティティと関係するこの重要な問題で、尹政権は大韓民国の憲法と最高裁判所の判決に背き、日本政府の見解を国際的に公認した。これでも大韓民国の政府と言えるのか。 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )