観光客の「夜やることがない」を払拭? 京都の植物園に「異世界」出現、ライトと音で幻想的に
日本最古の公立植物園「京都府立植物園」(京都市左京区)が、開園100周年企画として夜イベントを実施。植物を光や音で演出する『LIGHT CYCLES KYOTO(ライトサイクル キョウト)』が、10月18日よりスタートした。 【写真】夜なのに…朝日が差し込んでいるような「木洩れ陽」の演出 ■ ここ京都? 国内最大級の「観覧温室」が変貌 1924年、京都市の北部・北山エリアにオープンした同園は、年間来場者数80万人超と国内の公立植物園ではトップクラス。24万平方メートルの広大な敷地には、四季折々の草花や絶滅危惧種など、約1万2000種類・約12万本の植物が植えられている。また、熱帯から高山植物までそろう国内最大級の「観覧温室」や、春や秋に約320品種が花を咲かせるばら園など、多彩なエリアを楽しめる。 今回は、ガラス張りで真っ暗になった夜の「観覧温室」を会場に、幻想的なアートイベントを実施。朝日や夕日のように移り変わるライティング、躍動感があり植物たちの生命力を感じるライトショー、雨のように降り注ぐ光、神秘的なスモークなどの演出がなされ、異世界に迷い込んだような没入体験が味わえる。 ■ 観光客の「夜やることがない問題」をなんとかしたい 「京都府立植物園」は、通常夕方5時までの営業。今回の夜間イベント開催について、オープニングセレモニーに出席した都倉俊一文化庁長官は、「さまざまな観光業の皆さまが共通して持つ悩みとして『観光に来られた外国人の方々が、夜やることがない』という問題がある。『催し物がない』ということで、これを我々がなんとかしないといけない。そこで考えたのが『ナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)』という考え方です」と説明。 「3000万人を超える訪日外国人が、夜8時以降に落とすお金を放棄すると、日本の観光だけでなく経済にとっても好循環には繋がらない。かけ声だけじゃなく、このように実践されることに意味があり、植物園を取り上げたことが素晴らしい発想である」と評価した。 『LIGHT CYCLES KYOTO』の期間は、10月18日~12月26日(月曜休)。時間は夕方6時~夜9時30分(最終入場8時30分)。料金は高校生以上2500円(前売り2000円)、小中学生1200円(前売1000円)※通常の植物園入園料は不要。チケットは公式サイト及び、各種プレイガイドにて販売中。