巨人に入団報道の田中将大 「日米通算200勝は通過点」復活期待が
大きなプラスアルファに
楽天を退団した田中将大に、巨人が獲得に動いているという報道が各メディアで大きく取り上げられた。今季最多勝に輝いた菅野智之が海外FA権を利用し、オリオールズと契約に合意。井上温大、横川凱など若手が頭角を現しているが、先発で実績十分の右腕が加入すればプラスアルファになる。 【選手データ】田中将大 プロフィール・通算成績 スポーツ紙記者は「日米通算200勝に残り3勝に迫っていますが、この大記録は通過点でさらに白星を伸ばしてほしい。1学年下の菅野が鮮やかに復活したように、田中もコンディションが整えれば、まだまだ先発で十分に通用する。もう一花咲かせてほしいですね」と期待を込める。 今季は1試合登板のみ。昨オフに右肘のクリーニング手術を受けた影響があったのか、状態がなかなか上がってこない。プロ18年目で初の未勝利に終わり、楽天サイドは野球協約の減額制限(年俸1億円超は40パーセント)を超える年俸を提示。田中は悩んだ末に自由契約を申し出た。金銭面が不満だったのではない。期待されているという感情がわかず、自らの意思で新天地を求めた。
全盛期は圧巻の投球
全盛期は球威十分、精度の高いスプリット、キレ味鋭いスライダーを武器に相手を圧倒する投球を繰り広げていた。高卒1年目から11勝を挙げて新人王を受賞するなど先発ローテーションの軸として稼働し、最多勝、最優秀防御率のタイトルを2度ずつ獲得。名門・ヤンキースでは6年連続2ケタ勝利をマークした。衝撃的な活躍が、野球ファンの脳裏に焼きついているのは2013年だろう。28試合登板で24勝0敗1セーブ、防御率1.27をマーク。球団史上初のリーグ制覇、日本一に導いた。田中は同年の春季キャンプで、「今年の野球界の主役は俺たち楽天だ!」と朝の声出しで宣言している。週刊ベースボールでその真意を問われ、以下のように語っていた。 「思いっていうか……(苦笑)、いや、そんな深いものではないんですよ。毎年、一番上を、頂点を狙って戦い抜くのは当然のことですし、朝の声出しっていうのは、なんというか、そういうノリみたいなのもあるんで(笑)。まあでも、決して冗談で言ったわけではないですし、そこを目指してやらないといけないと思っていましたから」 照れ隠ししたが、熱い言葉は本心だ。 「いや、それぐらいの気持ちでというか、本気で狙ってますよ。ずっと優勝、優勝って言ってきてますし、3位でクライマックス(シリーズ)に出られればいいとか、そういう生ぬるいことを言っているようじゃ、1位を狙ってるチームに勝てるわけがないんで。だから僕は常々、『優勝するんだ』と言うことが一番大事だと思います。そういう気持ちが」