債券市場、年内の米利下げ2回の確信強める-タカ派気味FRBと乖離
ブルームバーグのストラテジスト、キャメロン・クライス氏は「CPIが予想を大幅に下回ったことで、投資家が一斉に資産買いに向かったが、サプライズも主要指標の方向性も急変したことを考えれば、理由は理解できる。だが表面上はドットプロットも経済予測もかなりタカ派的で、インフレ見通しは引き上げられ、2024年のFF金利の中央値は 5.125%でしっかり落ち着いた。額面通り受け取っても、ドットプロットが(反応関数という点で)以前ほどタカ派的でないのは、ほぼ間違いない。インフレ軌道の下降が持続する場合ハト派に傾く可能性を加味すれば、CPIの反応は適切と思われる」と分析した。
パウエル議長は、金利見通しを重要視せず、実際の軌道は今後の経済データ次第だと述べ、市場の懐疑的見方を追認したようにも思われる。5月のインフレデータは「歓迎される」とした上で、「そのようなデータが増えることを期待している」とパウエル氏は語った。
MUFGセキュリティーズアメリカの米国マクロ戦略責任者ジョージ・ゴンサルベス氏は「パウエル議長はよりタカ派的な印象を与えた。これは最初の利下げのタイミングから焦点をそらそうとする試みに過ぎない」と見解を示した。
原題:Bond Market Splits From Fed Again by Betting on 2024 Rate Cuts(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Michael Mackenzie