『紅白歌合戦』出場者発表で見えた…!「5つの傾向」から読み解くNHK&メディアの「ウラ」と「世間の本音」
悪意ある記事もダメージは限定的
最後に5つ目の傾向は、紅白歌合戦への悪意を集めるような記事。 「『完全にオワコン』SnowManナシ、中森明菜ナシ、B'zもナシ…目玉ゼロ『紅白』史上最低視聴率へ一直線気配」 「『誰やねん』の声 『紅白』ILLIT、tuki.、ME:I、TOMORROW X TOGETHER…従来視聴者置き去り感」 「『性の多様性』議論活発化 紅白歌合戦の“男女分け”に指摘の声 制作統括が説明『現段階では…』」 「紅白発表 昨年史上最低の視聴率だった理由 NHK制作統括 旧ジャニ勢ゼロだった影響聞かれ『自信を』」 「『韓国アイドルばかりでクソつまらん』NHK『紅白』出場者発表もブーイングの嵐…『絶対今年いけた』女性アイドルグループのファン愕然」 そもそも「ネット記事はネガティブな内容のほうがPVは伸びやすい」と言われているが、アンチが多いものであればなおのこと。「アンチ・テレビ」の人々にとって屈指のテレビコンテンツである紅白歌合戦は最大級の攻撃対象であり、あおり記事に反応してもらえる可能性は高く、選考、視聴率、“男女”などのさまざまな観点からネガティブな記事が量産されている。 ただ、「悪名は無名に勝る」という言葉があるように、この傾向は紅白歌合戦にとって必ずしもネガティブではない。叩かれているうちは最低視聴率を更新しても挽回の可能性があり、今年も制作サイドの戦略次第でここから盛り上げていくこともできるはずだ。 もし悪意ありきのメディアに手のひら返しさせることができたら、一定数以上の視聴者も「やっぱり紅白はこうであってほしい」などと称賛するのではないか。少なくとも紅白歌合戦は日本屈指の歴史と実績を持つコンテンツであることは間違いなく、本来ならば時代に合わせて変えながら続けていく方法を放送局、メディア、視聴者の3者で考えていきたいところだろう。
木村 隆志(コラムニスト/コンサルタント)