食品業界で注目の成分「GABA」 睡眠の質向上、ストレス緩和に効果的 新事業活発化
睡眠の質向上やストレス緩和といった効果が期待できる成分「GABA(ギャバ)」が食品業界で注目。チョコレートや飲料、サプリメントなど様々な食品に配合されていて、この成分を使った新たな事業が活発化しています。 【写真を見る】食品業界で注目の成分「GABA」 睡眠の質向上、ストレス緩和に効果的 新事業活発化 大分県宇佐市にある三和酒類は、焼酎の製造工程で出てくる焼酎粕の資源循環を進めようと、「拝田グリーンバイオ事業所」を設置。ここで力を入れているのがGABAの製造です。 三和酒類三和研究所 石原雅人さん: 「発酵と焼酎粕を組み合わせて何かできないかというところでGABAに着目した」 GABAは植物や動物、人間の体内にも存在するアミノ酸の一種で、精神の安定や血圧を下げるといった効果が報告されています。 三和酒類では研究を重ね、栄養分が豊富な焼酎粕を乳酸菌発酵させ、GABAを製造する技術を開発しました。麦焼酎の製造工程で出てくる焼酎粕は年間7万トン。これまでは、ほとんどが飼料や肥料として利用されてきましたが、市場価値が高いGABAの製造は将来性が期待される事業となっています。 三和酒類三和研究所 石原雅人さん: 「焼酎事業に次ぐ第二の柱というところで注目されてきています。認知が高まってかなりの問い合わせを受けている状況です」 三和酒類のGABAは、ストレスの緩和だけでなく、肌弾力の維持、活気・活力といった機能性特許を取得していて、全国の食品メーカーから注目。消費者庁のGABA機能性表示食品の受理件数では、国内トップのシェアを誇っています。 約50種類の茶葉で健康茶を製造している佐伯市直川の河村農園では4年ほど前から三和酒類のGABAを導入しています。農園では、はと麦茶と桑の葉茶にGABAを混ぜ、機能性表示食品として販売。全国に展開するドラッグストアで定番商品となっています。 河村浩充社長: 「競争が激しいドラッグストアの棚で、GABAを入れることによって『血圧が高めな方に』『肌の弾力を維持』との文言を入れられます。それで生き残れるようにという発想で導入しました」
麦焼酎の副産物として生まれた大分産のGABA。ストレス社会を背景に今後さらに活用が広がりそうです。
大分放送