山本昌がセンバツで力投した12投手を解説 中日で一緒にプレーした投手の息子の評価は?
現時点で「ドラフト1位指名間違いなし」と言えるだけの絶対的な存在は見当たらなかった今春のセンバツ。これまで数々の逸材を見出してきた"レジェンド"の目にはどう映ったのか。技術にこだわり続け、50歳まで現役生活を送った山本昌氏(元中日)が、センバツに登場した12投手を徹底分析した。 【写真】実力派の野球美女たち。私服・ユニフォーム姿の厳選カット集(19枚) 今朝丸裕喜(報徳学園/187センチ・80キロ/右投右打) 昨春のセンバツでも見させてもらい、間木歩くんとの2年生右腕コンビはすばらしいと感じていました。あれから1年が経ち、順調に成長していますね。今春の今朝丸くんは背番号こそ10番でしたが、ドラフト候補にふさわしい実力でした。軸がしっかりしていて、コンパクトなのに強い腕の振りができる。下半身の無駄な動きがなく、捕手に向かって真っすぐにラインを出せているからコントロールもいい。フォークにはびっくりするくらいの落差がありましたし、スライダー、カーブのキレもよかったです。とくに腕の振りの最後が力強い点に惹かれました。今後に向けて課題を挙げさせてもらうなら、体重移動の距離をもう少しとれるようになるともっとよくなるはずです。上の世界でも先発投手として長いイニングを投げるには、その点がカギになるでしょう。
平嶋桂知(大阪桐蔭/186センチ・84キロ/右投両打) 1球見ただけで、「さすが大阪桐蔭のエースだなぁ」とうなってしまいました。春先からこれだけ速いボールを連発できる投手は希少ですし、カットボールも腕が振れている。ラインがしっかりしていて制球面も問題ありません。高卒でプロ入りすれば、平均球速はすぐに150キロを超えるはずです。楽しみな素材なのでひとつアドバイスしたいのが、ツーシーム(シュートしながら落ちる球種)の腕の振り。ストレートやカットボールの時よりも腕の振りがわずかに緩んで、腕の角度も下がっています。「曲げたい」という意識が強いのか、シンカーのように投げようとしているように見えました。でも、むしろストレートと同じく上から投げたほうが曲がるはず。せっかくいい腕の振りをしているので、ぜひツーシームにも生かしてほしいですね。