山本昌がセンバツで力投した12投手を解説 中日で一緒にプレーした投手の息子の評価は?
髙尾響(広陵/172センチ・73キロ/右投右打) さすが1年春から名門・広陵で背番号1を背負う投手だと感じます。決して体は大きくありませんが、投手としてのすばらしいセンスを感じます。テイクバックが小さく、打者にとっては出どころの見えづらい腕の振り。軸足でしっかりと立ち、スーッとホーム方向へ真っすぐに向かう体重移動。ラインをしっかりと出せているので、コントロールがいいし、ボールにはスピードも勢いもあります。このまま体に力をつけていけば、プロでも十二分にやれるはずです。課題を挙げさせてもらうなら、体重移動の距離。ホーム方向へ左肩が寄っていくようなフォームになれば、ボールが引っかかることなく質がさらに高まるはずです。
吉岡暖(阿南光/182センチ・85キロ/右投右打) 独特な足の上げ方が印象的なフォームですが、ボールが出てくる位置が高く、強く腕が振れるのでこれだけのスピードボールが投げられるのでしょうね。左右のブレが少ないコントロールも魅力的で、フォークなどの縦変化もいい曲がり方をしています。もう少し左肩が捕手方向へと移動できると、ボールが低めに集まってさらによくなりそうです。あとは時折、リリース時に手首がわずかに寝る時があって、シュート回転が強くなる傾向があるようです。せっかく体を縦に使えるフォームなので、リリース時に手首を立てられれば縦軸のきれいなストレートをコンスタントに投げられるようになるはずです。
関浩一郎(青森山田/186センチ・85キロ/右投右打) すごくポテンシャルが高い右投手だと感じました。肉体的に恵まれているし、腕の振りが強いし、ボールが速く見えます。将来性の高い、面白い素材ですね。期待を込めて、あえて細かな部分で気になる点を挙げさせてもらいます。基本的には右腕を縦に振るフォームなのですが、右腕を振る際に一瞬、右手首が逃げてラインから外れてしまう時があります。わずかに手首が寝てリリースされると、ボールを引っかける原因になります。常に手首が立った状態でリリースできれば、もっと凄まじいボールを投げられるはずです。ボールを上から押さえつけるようなリリースを身につけて、よりレベルアップしてもらいたいですね。