改革を目指すマッキンゼーの答えは「生成AI」…AI部門に2000人のデータサイエンティスト(海外)
生成AIはマッキンゼー・アンド・カンパニーのようなトップコンサルティング企業の重点項目だ。 マッキンゼーのAI部門、クアンタムブラックは、データサイエンティスト2000人を抱え、世界に5カ所の研究開発センターを有する。 マッキンゼーの収益は2023年、生成AIと戦略的パートナーシップのおかげで過去最高の160億ドルに達した。 生成AIは世界有数のコンサルティング企業でも大きな話題となっている。 「社内でも大きな存在になっていて、将来的に仕事の大部分を占めることになると私は考えている」とマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)のシニアパートナー、ベン・エレンツヴァイク(Ben Ellencweig)はBusiness Insiderに語った。 「では、実際には、どうやって生成AIとAIの考え方をビジネスに取り入れるのがよいのだろうか」 エレンツヴァイクは、2015年に創設されたマッキンゼーのAI部門、クアンタムブラック(QuantumBlack)で、グローバルなアライアンスや買収、パートナーシップの業務を率いている。現在、2000人ものデータサイエンティストが働いており、4万5000人いる従業員の4%以上を占めている。研究開発センターもインド、ブラジル、イギリス、アメリカ、それにイスラエルの5カ所ある。 ChatGPTの誕生は、マッキンゼーの生成AIへの取り組みのきっかけとなった。「現在、大まかに約40%が分析関連、AI関連の仕事で、その多くが生成AIへと移行している」とエレンツヴァイクは述べた。そして、マッキンゼーは過去6カ月で約400の生成AIプロジェクトに取り組んだと付け加えた。 コンサルティング業界は全体的に低迷しているが、マッキンゼーは2023年、過去最高の160億ドル(約2兆5600億円)の収益を上げた。これも生成AIに注目したおかげだという。昨年は、新たなテクノロジーを試していた顧客が、今年はその技術を成長させるためのより大きなエコシステム構築に注力している。だがテクノロジー自体はそのほんの一部に過ぎないとエレンツヴァイクは言う。 「マネジメントの変化について考える必要がある。安全なAIと責任あるAIについて話す必要がある。『業務の流れをどう変えるのか』も考えなければいけない」 昨年6月、同社は起業家向けのAIモデル構築に注力するAIスタートアップ、コーヒア(Cohere)との提携を発表した。この提携は両社にとって有益な結果になった。マッキンゼーは若いスタートアップ企業がより多くの組織から「信頼」を築くのに役立っているとコーヒアの創業者兼CEOのアイダン・ゴメス(Aidan Gomez)はBusiness Insiderに語った。一方、マッキンゼーはコーヒアのイノベーションへの懸命な取り組みと責任ある開発によって、利益を得ている。 AIの急速な進化の中で世界がどう変わるのかはまだ分からない。だが同社の主張は、このテクノロジーは身近なものになるということだ。「生成AIはすべての製品の一部になる」とエレンツヴァイクは述べた。 「ウェブサイトや製品の操作を手助けするスマートボットをはるかに超えて、生活のあらゆる場面に組み込まれるようになるだろう」
Lakshmi Varanasi